第18話

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」


やばい・・・怒ってる。


「成績は下がってませんよ?」


ああ…沈黙に耐えられなくて、つい”よいこ”アピールしちゃった。


成績も下がっていないのに来るのが珍しかったからつい…。


「・・・・・・・」

「・・・・・・・」


だめだ、海生兄に誤魔化しは通じない。



「相談もせずにごめんなさい」


「——————それ言うのに何分かかってんだ」


やっぱりこれが正解か。



まったくとため息つきながら、スケジュール表を取り出し、iPhoneを素早く操作していた。



「日にち、何日だ?」


「あ、っと・・・2月14日です」

バレンタインじゃん…。



「・・・・・」その後もせわしくタップして、よしとか呟いたお兄様。



「その日、俺が引率するわ」


「え!———いいですよ‥そんな、銀行員の兄様に、そんなご足労は・・・」


「アホ、面倒事に巻き込まれて、後で国の機関から呼び出しくった方が迷惑かかるわ。黙って引率されとけ。————メンバーの奴らも車に乗せてくからな、知らせとけよ」


「ええ?!それは喜ぶかも!」



楽器を持ってバスセンターまで行くの大変だよなって思ってたとこ!


有難い!お兄様!


バス賃金も浮くし、ラッキーじゃん。

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