戦友

第15話

「んじゃーね、悟」

「おう、またな—。——あ、今度の定奏会頑張るべな」

「うん、来週から詰めていこうね。リズム隊の私たちがしっかり固めてこう」

「そだな!」


悟とグータッチしてそれぞれの家へと向かうバスに乗り込む。


人生はなかなか上手くいかないけど、悟みたいな戦友が居てくれるだけでもありがたいよ。


理解者が居るって本当に心が強くなれる。




「ただいまー!」


「おかえりぃ」



帰ったらおばあちゃんが丹精込めて作ってくれたご飯をかき込む。


「あらあら、男の子みたいねぇ」


うふふと笑うおばあちゃん。ちょっとお行儀悪かったかな?



「ごめんなさい、ペダルがねなんか変だったからメンテしたくてたまらないの」


「ああ、そうかいそうかい」



おばあちゃんはペダルが何かはきっとわかっていない。でも優しい顔してくれるから好き。





「さあて・・・・何が問題なんだろう?」



バスドラムを叩くときに使うフットペダルをケースから出した。


見た目だけじゃどこが悪いか分からない。



だから私の必殺奥義!


全部ばらして磨き上げ、もう一度組み立てる!



意外とこれで治るのだ。

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