第10話

その興奮は止むことなく、学校でも質問の嵐で周りをちょろちょろと付きまとってくる。


こんなの、また呼び出しくらうじゃんってウンザリしてれば案の定。


「ね~ね~、今日さ~家来ない?誰もいないよ?」


「ああ?行かね。それよりさ、おしえろ、普段亨さんってどういう感じ?」




ああああああ・・・・・


後ろを見て下さい賢人君。


あなたが普段カワイイかわいいって連呼しながら自慢してる彼女が、100年の恋も冷めるような顔をしてるよ。



「彼女さん、いいの?怒ってない?」


「・・・は?え、怒ってんの?」



「ええ~~怒ってないよ~~、何言ってるの?賢人」


「そうだよな。こんな事で怒るような小さい女じゃないもんな?」


「もぉー…それは褒めすぎだよぅ。そんなにいい女じゃないし…」


「あ、やべ・・・めっちゃかわいい。やっぱ行くわ!お前んち」



その言葉に安心した。真底安心した。


これで私は敵じゃないんだって分かってもらいたかったけど、どうやらそうもいかなかった。

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