第7話

「ちょっと分かってる?”フレミング”さん?」


昼休み、人気のない場所に連れて来られて嫌味っぽく言われる。



案の定呼び出しをくらってしまった…。



純日本人な容姿に、この華やかしい響きは似合わない、とばかりにその取り巻きたちも笑っていた。



「勘違いしないでよ?賢人はあなたがドラムさえ叩けなかったら近づくことも出来ない存在なんだからね?」


「・・・・・・・」


「間違ってもその気になって調子こかないように」


「・・・・・・・」


「返事は?フレミングさん」


「・・・・・・・」



「あまり生意気な態度取ってると、こっちも容赦しないからね」


「————はい、わかりました」




”だっさいくせにムカつく~”

”いや~~!もう!わたしの賢人汚されたよぉ~”

”カッコいい男子に構ってもらいたくてドラム練習してんじゃないの?”

”うわ~~、そうかもよ”

”陰キャ必死”

”ぎゃははは”



そんなことを大声で話しながら帰って行く。


私はただドラムが叩きたいだけなのに、世の中はそんな私に優しくなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る