第17話

「もう日付が変わったから、明日で俺は卒業するけど。これで…少しは縮まるのかな?」



自分の体の下にある由佳を見つめながら、白いボレロに手を掛けていく。



前を肌蹴ると、黒いワンピース姿になり。


いつもはあどけない彼女が、すごく大人に見えてくる。



「何が……?」



俺の動きにビクビクしながら、由佳が小声で尋ねる。



きっと、気付いてないんだろうな。


俺がどんなにこの卒業という日を待ち望んでいたかを。



「俺と由佳の距離は、縮まるのかな?」



そう告げて、ゆっくりと彼女に唇を重ねていき。


チュッと何度も軽いリップ音を鳴らしていく。



小鳥が啄ばむように、彼女のふくよかな唇の感触を味わう。



キスする度に。


体を重ねる度に。



2人の距離が縮まればいいのに。



そう切に願いながら、彼女の唇を犯し。


服の上から、彼女の柔らかな胸に触れた。



「んっ……」



隙間から洩れる、甘い声。


それに反応するかのようにキスを深くしていき、触れる手に力を入れる。



「んんっ」



年の差も、精神的な距離も。


こうやって近付いていけたらいいのに。



幼い自分がもどかしくて。


やるせない思いを、こうして由佳にぶつけていく事しかできない。

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