第54話

一方で伊織はスタジオを飛び出したあと、地元の商店街を歩いていた。



前から、元バスケ部の先輩たちが歩いてきたことに気がついた。



伊織が今1番会いたくない人間たちだった。




「お、誰かと思ったら、朝比奈じゃん。」



「元気〜?」



「この前はよくもやってくれたな。来いよ。」



腕を2人に掴まれて、楓は人気のないところに連れていかれた。



「てめぇのせいで、一日サツで事情聴取されて最悪だったわ。」



そう言って先輩は伊織に暴行を加えた。

そうして仲間たちも、伊織に集団で暴行を始めた。



キレた伊織は一人で集団に対して反撃した。




一人、また一人と倒していく。




すると、女の人が警官を連れてきた。




「喧嘩!あそこです!」



「やべえ!サツだ。」




交番の駐在さんが、走ってきたので、先輩たちは走って逃げた。




伊織も、ベースバックを拾って、走って逃げる。




嫌なことばかりが連鎖して、もう、こころがパンクしそうだった。





全て投げ出してしまいたいと思いながら、全力で走って家に向かう。

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