第43話

玲蘭は伊織が怯んだ隙に、セーラー服を回収し、自分の部屋にさっと戻った。



そしてドアにもたれて、キャミソール姿のままうなだれる。




あと少しで、伊織としてしまうところだった。





自分がどんどん崩れていく。





玲蘭の心の中では複雑な気持ちが玲蘭を果敢に攻撃する。





伊織に触れたいと思う気持ちと、許さない関係であることを律する気持ち。




さっき感じたのは何だったのだろう。




一瞬で欲の力に支配されてしまった。





しばらく落ち着くまで、ずっと玲蘭は座り込んでいた。





やっと心を落ち着かせ、玲蘭が汚れたセーラー服を洗うために脱衣所に行き、





洗濯機に入れて洗剤を入れて、スタートボタンを押した。




すると、後ろから伊織に抱きしめられた。





「さっきは、ごめん。玲蘭。」



「伊織。」




「でも、好きなんだ。」





「私も、好き。」





伊織は玲蘭を振り向かせて、キスをした。





伊織の優しいキスに、玲蘭のこころもどんどん満たされていく。




そして、伊織は人差し指を立てて、しーっとした。





「内緒、だからな。じゃあ、俺、夕飯作るわ。」





「伊織.....。」






玲蘭は複雑な気持ちで、伊織のことを見送った。

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