第14話

席替えが始まった。

くじを引いて、引いた番号の席に名前を書いていく。



担任の高橋先生は若くて可愛い先生。

ホームルームのこういう企画も楽しんでやるし、生徒会の相談役として、生徒会顧問の先生もしている。



「はーい。みんな引いた?じゃあ、出席番号順に名前書いていって。」



出席番号1番は伊織だった。

皆んなドキドキハラハラしながら、伊織の場所を気にしている。



伊織の席は窓際1番後ろの席。

みんなじぶんの番号を確認して、感嘆の声を漏らす。



次は玲蘭。

窓際二番目の列の後ろの方。



すると、楓がガッツポーズをして喜んだ。

洋一の肩をバシバシ叩いて、興奮する。



「あー、雨宮の隣になれたの?執着に近いものを感じるわーコエー。」



全員の席が出揃うと、玲蘭にさくらが近づいてきた。



「玲蘭最悪ね。加賀美楓の隣じゃない。」


「誰の隣でもいいんだけどね。勉強できれば。私は。」


「あんなのの隣で集中できるかしら。」



実は玲蘭も楓のことはあまり、好きではないというか、謎の目線を感じるため、密かに距離を置いていた。



隣になったからには関わりもあるだろうし、なかなか微妙な気分だった。




さくらの言葉は次の授業で、納得した。

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