第8話
玲蘭がいいこぶりっ子をしているのには理由があった。
玲蘭もまた、片親なのだ。
両親は小学校5年生のとき、離婚した。
最初玲蘭を父親が、妹•志穂を母親が引き取る予定だった。
しかし、玲蘭は志穂や母親と離れたくなかったため、人生で初めて母親にワガママを言った。
『お母さん、私もお母さんが引き取ってよ。離れたくない!』
父親に離婚の原因があったため、2人とも母親が親権を持つことになったが、母親1人で2人姉妹を経済的に支えるのが厳しいことは子供でも理解できた。
だからせめて、いい子でいようと玲蘭は考えたのだ。
塾にも行かず、優秀な成績をおさめ、生徒会もやって、母親に、この子を引き取って良かったと思ってもらいたい、という一心だった。
家事も手伝って、母親の力になり、日々いい子でいたい。
それが玲蘭の想いだった。
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