第23話
熱気のこもる会場に戻って同時に結婚報告をしてみると騒然となったため、相手は別々だと早々にネタバラシをすれば、
まんまと引っかかったとクラスメイトに翼がもみくちゃにされたり
私は私で、指輪に気付いていても私が話さないから触れられなかった!と友人たちに質問攻めにされたり
飲み会の席は一層の盛り上がりを見せた
しぶしぶ見せてもらった翼の婚約者だという女の子は私と正反対の庇護欲をそそられるかわいらしい外見をした子で、彼が務める会社で事務をしているらしい
あまりに非の打ちどころのないレベルを目の当たりにした私はもちろん、一緒に見ていた友人まで少し落ち込んでいた
だから言ったのに、と苦笑する翼に言葉を返せる女性陣はその場にいなかったから、取り合えず肘でどついておく
そんなこんなで気づけば終電が近づき、一人二人と抜ける人も増えたころ
ふいに、友人の一人が私に告げた
「私さ、来実と翼くんはいつか付き合うのかなぁってずっと思ってたんだよね」
「うんうん、私もそんな気してた!でも、似たようなタイミングで結婚するあたり…なんていうんだろう、波長?が近いんだろうなって気がする!!」
私と翼が、か……
頭によぎるのは、高校時代の私たちと、先ほどの”夢”の時間
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます