第5話

「連絡なんてほとんどしてなかったけどさー、そこら辺のやつら経由して番号変えたのくらい教えてくれてもよかっただろ。ってことで、ちょっと携帯貸しなよ。」



「あ!ちょっと勝手に触らないでよ翼のバカ!!」



ひょいと私の手から携帯を奪った翼は空いている片手で自分の携帯を取り出しながら器用に私の携帯を操作し始めた



「やーだ。えっと、お、と、な、し、く、る、み……追加っと。お前のにも俺の名前追加したから。」



そういって私の方に向けられた2つの携帯の画面にはそれぞれ、『音無来実おとなしくるみ』、『広瀬翼』の連絡先が新規で追加されているのが確認できた

ご丁寧にお互いの誕生日まで登録されているではないか



そして翼の連絡先が表示されている方…すなわち私の携帯を差し出してきたので受け取る



今更追加されたところでそう連絡を取ることがあるだろうかとは思うが、あるに越したことないだろうとも思うので5年ぶりの再会記念ということにしておこう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る