第4話

確かにそんな男だったと肯定するよりも先に、先ほどの言葉に付け足すように



「まぁ?そんなくるだって知らないうちに携帯変えちゃって俺と音信不通になってくれたもんね?」



なんて、ほんの少しの嫌味を混ぜてくるところも出会った15歳の時から変わっていないようだ



「仕方ないじゃん。携帯水没させた上に連絡先のバックアップも取れてなかったんだもん。」

少し言い訳がましい気もしたが、言われっぱなしも癪に障るので反論しておく



忘れもしない4年前、まさにこの飲み会で酔った友人がふらつき、お酒が入っていたピッチャーを倒してしまったのだ

その際、こぼれたお酒は向かいに座っていた私の携帯がダイレクトに浴びることになり、家族、友人、サークルの先輩……

とにかく携帯に登録されていた、ありとあらゆる連絡先を失ったことは20数年の人生の中でも指折りで最悪な思い出にランクインされている



修復不可能になった携帯はそのまま機種変更したため、翼のように個人的な連絡を取っていなかった友人の連絡先は未だ登録し直されていない

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