第三話 口が裂けてもトップカーストの友人達に駐車場を見に来ただけとはいえない言えない
放課後、話した通りドンキホーテの駐車場へ汐と向かう事になったのだけれど、ドンキに行くと行ったら真弓がついてくると言って、真弓がいくならと明日香と芳乃もついてくる事になった。「何買うの?」と聞かれてドンキホーテの駐車場を見に来た! なんて口が裂けても言えない。
「紅月さんと一緒に買い物って初めてだよね」
「そうだね。中村くん。よく話しかけてくれたっけ?」
「何を買いに来たの?」
「えーっとなんだったかな? 明日の朝食とか、色々とね」
汐には駐車場を見に来たとは絶対に言わないように口止めしている。
「さて、私は少しお花を摘みに行こうかな」
本人はナチュラルさを装ったようだが、不自然にそう切り出してお手洗いに向かう汐。真弓達がついて行かないように私はコスメを見に行かないかと三人に提案する事にした。
「見て見て! クリスマスコフレ売ってるよ!」
「四割引き! 去年のだから安いのかな? てか凄くね? とら、よく見つけたね」
本当に、安いという理由で仕入れたんだろう。しかし、今回はドンキホーテの謎仕入れに助けられた。なんでもバイトとかがフロアを作っているとか?
「これ私買っちゃおうかなー。でも四割引きでも意外と高いね」
「こういう限定の物って高いのが相場だよね。とらってコスメ集めるの好きよね? ところで紅月さんってどんな化粧品使ってるの? 肌白いし教えて貰いたいんだけど」
「汐? 化粧してるのかな……」
汐とはそんな話をした事がない事を今になって思い出す。とはいえ、汐はたいていの事は知っている。
「私の使っているコスメメーカーを知りたいのかい?」
汐がお手洗いという名の駐車場から戻ってきた。そしてこれまた不自然に私たちの話に入ってきたかと思うと、使っているコスメについて説明し出した。
「紅月さん肌綺麗だし、どうやってるのか気になっちゃって」
芳乃はどんな相手とも人懐っこく話せる。汐は基本はプチプラコスメを使い、気に入っている物はデパコスを使うといくつか例に挙げて説明をした。
そして、芳乃は笑顔で汐になついてこう言った。
「紅月さん、コスメ詳しいんだね!」
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