第8話
「異界」とは外界に対して閉鎖的で、経済活動を自国内で循環させている国々の事を指す。アディスタン、夏、そして海を挟んだ島国ナカツクニ、その南海にあるアルメゴ、これらの国々に囲まれた劉も異界の一国として換算する場合もある。
アディスタンから流入する違法物資は、連邦にとって常に悩みの種だ。そのため、どんなこじつけであっても、内政に介入できる糸口を欲していたに違いない。
対して夏国はアディスタン以上に閉鎖的だ。国交や交易と呼べることはほとんど行わず、国外から夏国への侵入を極端に拒む。
往来を許されている国もあるが、長年の国交によって信頼を築き上げた国、劉国やシンディア、ランカンといった近隣の小国ばかりだ。
もちろん夏国は広大な敷地ゆえに、カシュガノのような僻地では国外からの侵入を完全に防ぐことはできない。それでも主要な都市は、夏国が歩んだ歴史の名残によって堅牢な城壁に囲まれている。
その守りは堅く、移動ルートとして頻繁に夏国を移動しているハカであっても、誰一人として州都へ入ったことはない。ましてや首都のある華州に入ることなどもっての外。数百年の国交をもってしても許されていないのだ。
そのため許可なく夏国に忍び込んだとしても、街には入れず、ゆくゆくは取り締まりを受ける事になる。
他者を拒む夏国という分厚く広大な壁のお陰で、その東にあるナカツクニは、数十年前まで夏国より西の国々に存在すら知られていなかった。ネットワークの発達や、シンディアやランカンといった「異界」と交流のある国々の発展と人の行き来によって、ようやく世界中に存在が知れ渡ったのだ。
そしてナカツクニの東南に位置するアルメゴにいたっては、夏国も劉国も長らく交流を重ねているものの、実態を図りかねている。アルメゴ近郊の海域は海流が荒く、空路も気圧が安定しにくいため、アルメゴの国土に踏み入った者が居ないに等しいのだ。
そんな自然の鉄壁に囲まれているにも関わらず、アルメゴが世界にその名を知られている理由は、優れた武器産出国であるが故。不思議な事にアルメゴの武器商は、ふらりと世界各国に現れて最新鋭の軍事機器を卸して回っている。往来のしやすさからか、劉には頻繁にやってくるので、ハカの装備はほぼ全てアルメゴ製だ。
夏国とナカツクニとの間に位置し、ハカの拠点である劉国は、立地の都合から遥かな昔しから両国と交流を持っていた。
特別に外交を閉ざしていた訳ではないが、目の前に大国があるのだから、あえて遠出をせずとも商売は成り立つ。よって自然と他の国との国交が少なくなってしまった。
そうやって偶然生まれた閉鎖主義を逆手に取って生まれたのが、ハカという傭兵だ。国交が少ないからこそ、大抵の国の問題に干渉しようとも、それが劉国本土には大した影響はない。
今回も用意周到なキンジョーによって、ハカと劉国は国際法で守られるだろう。
トーマは額に手を当てて、深々とため息をつく。
「異界の足がかりだなんて、片田舎の村落には大役すぎるんじゃありませんか。」
するとジンウは皮肉たっぷりに苦笑する。
「片田舎の小さい村落だからいいんですよ。連邦の思惑通りにいこうといくまいと、負債は最小限で済みますし、やりようによっては有耶無耶にもできてしまいますからね。」
夏国とカシュガノがギリギリまで対立してくれれば、連邦はその仲裁に入る形で夏国とアディスタンの両国に関与できる。
加えて抗争の中でハカと連邦の間に衝突が起これば、そこから夏国と劉国へ申し立てることもできるだろう。とはいえ、ハカも丸腰で傭兵業をしている訳ではない。そして対外勢力に備えているのは夏国も同様だ。
せいぜいアディスタンと撰州西部地区との交渉ができれば、連邦にとっては上出来だろう。
再びトーマが尋ねる。
「一応確認しますが、この暴動も連邦の差金だったんですか。あたかも偶然、不可抗力で起きたとばかりの話ぶりでしたが……。」
「カシュガノ側は偶然ですよ。けど役所や商人はどうか分からない。」
その言い草にはキリョウが黙ってるわけがない。勢いよくジンウへ振り返ったキリョウを、ジンウが次の言葉で制す。
「焚き付けた奴が居てもおかしくないという話ですよ。例えば、連邦のネズミが商人にツケの回収を煽ったとしたら。言われた通りに回収を急ぐかもしれない。或いは役人と近しい間柄なら国の判断を詰問するかもしれませんよね。今回は州政府の決定より先に金の心配がお偉い方々に広まってしまった。だから暴動が起こった。そういう事です。」
「撰州領内に部外者が居る可能性は確かにあり得る。しかし、内情に明るくなければ困難なだ。」
キリョウは勢いを失いつつも、声にはしっかりと威厳を保っている。
カシュガノは撰州の中でも辺境の土地。切り立つ山々が天然の城壁となってはいるが、検問所があるわけではない。だから国外から侵入が不可能ではないのだ。
「内情を知っている奴が、ネズミと通じて居た。というだけの話ではないですか?」
「まさか。」
キリョウは奮起したものの、その火はすぐに鎮まった。
そう、あり得ない話ではないのだ。撰州政府内にも、連邦という強固な共同体と繋がりを持つことを望んでいる者は多々見受けられる。何故ならーー
「可笑しな話じゃありませんよ。キリョウ様ぐらいの年代なら、20年前の大事件は当然ご存知でしょ。この国の北には、あの首長連合を一昼夜にして撃破した恐ろしい国があるんですから。なのに我が国の星は華州にある一つきり、軍備だって如何なものか知れたものじゃない。心配や不安を抱くのも、鞍替えを目論む輩が居るのも自然な事じゃありませんか。」
ジンウの言葉が余韻を残し、室内が水を打ったように鎮まった。そして、キリョウが重苦しく息を吐く。
「その通りですな。」
キリョウの言葉はそれだけだった。何故ならキリョウも何処かで同じ考えがあったからだ。
華太伯の加護がいつまで持つかも分からない。聞けば、もはや太伯は生きているのが不思議なぐらい御身を星に蝕まれていると聞く。
星によって結晶と化した身体が砕け散るか、眠りのその先へ沈んでしまうか。
いずれにしても夏国はそう遠くない未来に瓦解する。
その時夏国は連邦なり公国なりの傘下に降る事になるだろう。
再びの沈黙を破ったのは、やはりこの男だ。
「何処のどの国がどーのこーのとかはどーでもいいじゃんよー。今回のミッションの範疇の話をだけを取りまとめくれませんかねー。」
そう言っている間、ラークは頭痛がするのか、眉間に皺を寄せながら卓に肘をついて頭を支えている。
「それもそうですね。」
タクエが間髪入れずに同意した。そして、
「しかし状況はよく分かりました。お陰で一同、立ち回り方も見積もれたでしょうから。次は私たちにとって本題の星の事を教えてくださいませんか。」
ジンウは大袈裟に肩を掠めて見せる。
「そうでしたね。つい熱くなっちゃいました、申し訳ない。では、我々が連邦に引き渡す予定の星の事を話しましょう。」
ジンウは手近な椅子を引き寄せて座り、先程とは打って変わって神妙な面持ちで語り始める。
「まずは星の所在ですが、私が聞いている時点では、カシュガノの鉱山に隠しています。しかも先日大規模な落盤がありましたから、そう簡単には外に出ることはないでしょう。」
それを聞いて、ラークとアーナ、トーマの三人は揃って顔を顰めた。
「えー。もしかして穴掘りするのー……。」
「高地で肉体労働は流石に……。」
「普通に規定外労働だろ。」
意欲的ではない事をあからさまにするので、ジンウは思わず笑い出す。
「大丈夫ですよ。外の連中が作業にあたっています。それに空気孔の竪穴がありますから、作業の進捗を問わずそこから入りましょう。」
ならば良いと、三人は素直に安堵した。
ラーク達の百面相を横目に眺め、タクエがジンウに問う。
「星の能力を扱えるいう事は、誰かに寄生しているのですよね。誰なんですか?」
確保するということは、宿主となった人間の容姿を知っておく事は重要だ。
破口していたジンウは、再び神妙な面持ちになり、言葉を選びながら話し始めた。
「星の宿主は……、子供です。それも少し厄介な子達でして……。」
アーナは首を傾げる。
「子供が厄介?なんで?」
「何と言えばいいのか……。双子なんですが、いつも二人でいるせいか、誰とも話そうとしないんだそうです。耳が悪いのかと調べたのですが、幸いにも正常だった。その他にも挙動のふしぶしからしても、どうも不思議な子供たちだという話です。」
ルーカーは怒気を含めた口調で言った。
「大人にゃ理解できない子供が、勝手に死人を生き返らせてるから俺たちは知りませんてか?責任逃れもいいとこだな。」
「全くもって面目無い。本来なら大人が止めるべきだ。しかし大人がそれを好都合と判断してしまったのは事実です。計算外だったのは、双子は極端に人との交流を避けるし、他の子供のように菓子で釣って臨機応変に考えを改められることもしないということですかね……。」
そしてジンウは一息置いて続けた。
「……何故そうなってしまったのか、これも言い訳ですが聞いてください。」
そして一同を眺める。
室内は黙して了承した。
「もうご察しの事と思いますが、カシュガノは独立騒動を起こす何年も前から星を見つけていました。坑道の奥深く、横穴を抜けた先にある小部屋の中に隠されていたんだそうです。」
ジンウの話によると、発見された星は先代の宿主が星の侵食によって結晶化された状態だったという。しかしそんな状態の星を目にすることなど、一生のうちに有るか無いかのことだ。
発見した誰もが、大人二人分の巨大な鉱石を発見したと思った。
純度が高く、非現実的な大きさの宝石。巨大さ故に盗掘の心配は無さそうだが、迂闊に口外して役所の手に落ちるのは解せない。カシュガノの住人たちは満場一致で鉱石の存在を隠した。そして、この計り知れない価値を持った鉱石によってカシュガノは自治権を得られないかと考えたのだ。
それから数年間、カシュガノの住人たちは尾根を越えた先にある寺院を訪ねて自治権獲得のための知識を集めようと努めた。やがて寺院側もカシュガノの事情を知ることとなり、さりげなく手を貸してくれるようになった。
そしてある日、かつて寺院の近隣の山に星を埋葬したという記録が見つかったのだという。
更に調べたところ、どうやら見つかった鉱石が件の星で間違いない事が分かった。
鉱石が星であるならば、役所は直ちに排除しにくるだろう。それに星の存在が知られれば北の大国が侵入してくる事だったあり得る。
不安が肥大する一方、新たな希望も見えてきた。
星はこの世界の多くの国々が所望する国力の要だ。つまりこれを献上する事で、国外から多大な支援を得られる可能性だってあり得る。
そして辿り着いたのが、西方の一大勢力である連邦への協力要請だった。
カシュガノが自治権を望んでいる事は、今に知れた事でない。一方、撰州政府もかねてよりカシュガノを隣国との国境に押しやって厄介払いしようとしている事は噂程度に知れ渡っていた。
連邦はそこに目をつけて、カシュガノに全面協力を承諾したのだ。対価は星と、連邦がアディスタンとの繋がりを得る足掛かりとしての役目。
「だから今まで以上に星を監視しておく必要が生まれたわけです。不思議なもんで、絶対の秘密も何処かの誰かに知られている事がありますから。そしてようやく計画が動こうという時、麓の街で抗争が起きてきた。女や子供を避難させる名目で坑道に潜らせて、監視の役目を任せましたが仇となってしまったーー。」
ジンウは一同を見渡してから、深々とため息をついた。
「双子が触ってしまってんです。そして星は双子を選んだ。若干五歳、きっと退屈だったんでしょう。坑道内を歩き回って偶然星を見つけて触ってしまったそうです。先日大きな揺れが有ったのをご存知の方も多いと思いますが、あの揺れは双子が星に触った時のものだと、私も後から知りました。」
トーマが呟くように問いかける。
「双子の星は地形に影響する能力なんでしょうか?」
しかし間髪入れずにルーカーが突っ掛かる。
「だったら、どうやって死人を生き返らせるんだよ。」
「一見人に見えるけれど、土塊とか。ゲームだとそういう敵、割といい頻度で出てきますよね。それにその方が俺たちの宗教的にはありがたいじゃありませんか。」
トーマは戯けながら、拝むように両手を合わせて見せた。しかしルーカーの機嫌は良くなる様子はない。
一方ジンウはラークをじっと見つめるが、ラークはその視線の意図など見当もつかない。よって小首を傾げて見せる。すると、
「坑道を塞いだ大規模の落盤も、死人が生き返るというのも、双子の星の力には違いありません。しかしどちらもおそらくは副産物だ。本当の能力は一体なんなのか、生憎我々には皆目見当もついていません……。むしろ、最初の揺れは宿主に寄生した時の化学反応みたいなもので、特別な事なんてないんじゃないかとも思うんです。貴方の時はどうでしたか?」
平然としているが、実のところジンウも不安を抱いているのだろう。視線の意図を察してラークは唸りながら天井を仰いだ。
自分の時も確かにあった。何か大きな力が働いて、窓一つない建物が吹き飛び、冷たい曇天の空を仰ぎ見たのだ。
「あったよ……。でも国境を超えてまで影響するようなものじゃなくて、建物を数棟吹き飛ばす程度だった。だから、ガキどもの星は地形に関する能力の可能性はあるんじゃねーの。それか相性が良かったのかもな、曾祖父さんが星の民の孫とかな……。」
「星の民」とは星を授かった一族・アンシャールの通称だ。天から星を授かった最初の人々であり、星の扱いを良く心得、星に愛される一族だという。
ラークの言葉を聞いて、ジンウは黙して思案し始めた。
「それはそうと、星は坑道の中にまだいるんだよね?」
今度はアーナが口火を切った。
ジンウは顔を上げて答える。
「そのはずです。」
「私たちが入る予定の竪穴から抜け出した可能性は?」
「なくはありませんが、そうさせない為に大人が見張っているはずですから。あるとしたら、公国側の侵入者が居て連れ去ったという方が心配ですね。」
アーナはしばし人差し指で顎を叩いて思案する。
「てことはだよ。私たち星の確保組は、侵入者の有無を確認するがてら竪穴から坑道に潜ります。星の宿主の双子ちゃんを確保して、連邦関係者に引き渡たせばミッション完了。ルーカー達の街組は、カシュガノ勢をはじめ、事態によっては連邦軍および公国軍の介入から撰州軍を守る。期間は撰州王から一部地域分断、停戦命令が出るまで。でいいのかな?」
そしてジンウ、キリョウの順に見やる。
ジンウもそれに倣ってキリョウに目を向ける。
「状況によっては、また細々と依頼するかもしれませんが、大方そのような認識で構いません。勿論追加事項は報酬を加算させて頂きます。」
「さすが、気前がいいねー。それなら私たち頑張れそう。」
アーナは声を弾ませて、すっかり上機嫌だ。尻尾が有ったなら勢いよく左右に振っていただろう。
続いて明日以降の行動計画が伝えられ、その場は解散となった。
夜が明けたらルーカー達は陸路でカシュガノへ向かい、トーマ、アーナ、ラークの三人は同時刻に空路で鉱山へ向かう手筈だ。
というのも、一旦全員でカシュガノへ入り、その後坑道の間近にある集落を目指すはずだった。しかし山登りを嫌ったラークが、もっともらしい理由を並べてキリョウを説得したのだ。
会議を終え、キリョウを始め室内に詰めていた一同は各々の部屋へと散った。その頃にはすっかり陽が落ちて、月明かりが照らす中庭を寒気を含んだ風が吹き抜けていく。
ハカの面々はしばし庭の一角に屯して明日以降の連絡手段や万一の際の動きなど内々の事を確認した。ひと段落して冗談も飛び交い始めた頃、ルーカーがボヤいた。
「劉に帰ったら、3日間ぐらい僧堂で寝泊まりだな……。」
そして、ベルトにつけた親指大のケースを数回振って、出てきた塩を手のひらで受け、そのまま頸にすり込んだ。
「こういう時はつくづく、さっさと隠居してぇもんだと思うよ。」
ハカの仕事は綺麗事ばかりではない。ただ犯罪者の囲い込みや明らかに大義がある側に援助するのは正直楽しい。だから今回の仕事も内容としてはなんてことはない。しかしルーカーだけではなく、ハカの多くの面々が死者と接する事を嫌う。長く接していると、死霊が移るという劉国の考えもあるからだ。だから劉国では死に魅入られた者は太陽で穢れを落としてその晩に海へ返す。例え遺品としてでも故人のものを奪ってはいけない、愛用していたものは特にだ。故人に目をつけた死霊を寄せ付けたり、故人が死霊となって取り返しに来てしまうと言われている。
「またまた、今貴方に隠居されたら困りますよ。」
トーマは苦笑しながら宥める。
「そういやぁこの間アディスタンで聞いたんだが、アルシャームの若頭首様も探してるって話だぜ、先代の第四子様をよ。しかも懸賞金の額もちゃーんと提示してて、劉の通貨で四億朱だそうだ。」
「それは中々ですね。」
トーマが関心するのも当然。劉国で四億といえば、中心地である
「サンディアナにとっちゃ、ちょっとした出費程度って事だろうよ。なんせ第四子の生母、
手を拱いていたラークも思わず声を漏らす。
「ご執心?歳の差もいいとこだろ」
「大飛燕花君ってのは頭首様とは十も離れてないそうだぜ。母上様っていうよりは、歳上の美人さんてとこだろ。しかも互いに四十に手が届いてりゃ尚更大した違いじゃねーよ。」
ラークはそんなものかと言いつつも、いまいち腑に落ちないようだ。一方トーマはいい酒の肴を得たとばかりに大笑いする。
「当人達に血縁はないにしろ、身内ですよ。華麗な一族の内情は難しいですね。まるで昼時にやってるドラマだ。」
「実際はどうあれ、世の中のお偉いさん達は、首長連合が20年前を忘れてねぇって事の表明だと踏んだわけだ。現に連邦は早々に首長連合と会合を開いたしな。」
するとラークがニヤリと笑う。
「へぇ、そんなに対応がはやいって事は、連邦は近々公国とやりあうつもりかな。」
「かもな。それか連邦が抱え込んでるのかもしれないぜ、御当主様がお探しのアルシャーム家が誇る雛の第四子様をよ。」
「雛ねぇ……。」
ラークは先程の笑みは消え、下手物でも見たように顔を顰める。
トーマは先程にも増してケラケラ笑いだす。
「幼く愛らしさを評して雛と呼ぶんでしたっけ。にしても、20年ですよ。男でも女でもその相性は痛すぎる。」
ラークも顔を引き攣らせてぼやく。
「ほんと、完全に黒歴史だよなー……。」
明朝。朝靄の立ち込める中、ツオスからほど近い原野に今回の仕事に携わるハカの中隊が集った。ルーカーと他二名、各々が率いる中隊80名、述べ240名。そこに鉱山へ同行する五人を抜いた、トーマの小隊60名が加わり陸路でカシュガノへ向かう。
ラーク達は最終的な動きを
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