第64話

桂の恐ろしvoiceと睨みに、お弁当を置いて逃走する優男。




それを見送ってたら、お弁当が目の前に。




ああ。

良かった。

ケントさんのお弁当。




おもわず、笑ってしまったあたしを見て桂が少しだけタレ目を見開いた。



????なんだ??




気になりつつもお弁当を受けとる。




どうしようか…。

声が出せないから、お礼が…。




「どうかした?」




ぬーん。

うん、これしかない。




桂の目を見て、ゆっくり深く頭を下げる。




"ありがとう"をたくさん込めて。




普段は天敵だけど、今日は本当に助けられた。




"ありがとう!!"




「どういたしまして」



おうっ!

わかってくれた!



ふんわりと穏やかに笑う桂にあたしも笑う。




この格好のせいか、桂の優しさに触れたからか、素直になれる。




んでも、長居は無用だ!!


このあたしのこと!!

いつボロが出るかわからない!!




あたしはもう一度、今度は浅く頭を下げ桂に背を向けた。




ケントさん。

今、行くよ!!



落ち込んでた気持ちが少し浮上した。



今なら行けるっっ!!















ガシッッッ

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