第20話

あたしは八雲さんに紹介してもらうまで"黒豹"の存在さえ知らなかった。


まだまだ、皆のことも知らないことばかりだな…



や「今から、知っていけばいいんだ。時間はまだまだある」



「八雲さん…」



顔を上げれば、頬を撫でられた。



"時間はまだまだある"



「う……」




八雲さんの大きな手にスリ寄って頷こうとした。


……………………………………………………………………




めっさ、睨まれてる!!



一人の女の子が、めっさあたしを睨んでくるではないか!!




や「ハイネ?」



中途半端に止まったあたしに首を傾げる八雲さん。



「なんでもない」




笑って、八雲さんの手を両手で包む。




「ねぇねぇ"チビ姫"ちゃん」



猫なで声に呼ばれた。



Σ(´□`;)



この女の子!!



八雲さんを狙ってる!!



女のカンがそう言ってる!!




麻「女のカン!?」



「何故に驚くの麻也?あたし女の子!!」



麻「ハッハッハッ」



「すんげぇ、乾いた笑い!!」

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