第121話 便利なAIを、手に入れる
吹き出した原油の、くみ取り作業してたときだった。
『条件を達成しました』
『神アプリ【Sinri】を手に入れました』
お、なんか久々に、新しい力を手に入れたようだ。
「またなにかやっちゃったの、ミカ……?」
「またってなに、やっちゃったってなに……?」
なんだか私が何かやらかしまくる人みたいに認定されてない……?
「で、なにをやっちゃったんだ、ミカ神どの? 早めにごめんなさいしたほうがいいぞ」
「ルシエルまで……私は幼児じゃあないっつーの」
「「…………」」
ルシエルとセイラちゃんが、二人して無言になった。
え、なんで無言なの……?
「私が幼児だっていいのたいの……?」
「そんなことより、なにがあったのよ?」
幼児だってことはついぞ否定してくれなかった。ちくせう。
「えっと……なんか、『条件を達成しました』アナウンスが流れて」
「はぁ? なにそれ」
するとルシエルが代わりに説明してくれる。
「ミカ神どのは、神様なので。信者が増えると、新しい力が発現するのです」
「は? ちょっと言ってる意味わからないんだけど……」
「神ルールだそうです」
「そっか、じゃあもうそういうもんだって納得するしか無いわね」
き、聞き分けよしこちゃんかよぉ。
「で、どんな力が発現したの?」
「はじめに、きちんと
ルシエルさん、完全に私のお世話が掛かりになってる件……。
「ええと、アプリの詳細っと……」
さて。
今まで描写を省略してたけど、改めて、言っておこう。
私のスキル、
けど何を調べるのかは、こちらで指定する必要がある。
また、調べ事について、いちいちこちらが入力しないといけない。
だから、まあ、けっこーめんどうっちゃめんどうなのだ。
あーあ、自動で私の言ったことを、文字起こししてくれないかなぁ。
アレ●サとか、Si●iみたいなさ。
ま、そんな便利な機能、着いてるわけないか。
「えっと、新しいアプリ……Sinri? の詳細っと」
ポンッ♪
~~~~~~
Sinri:こんにちは(^∇^)
~~~~~~
「ふぁ!?」
な、なんか画面の中央に……文字とともに、女性の声が流れた!?
「い、今の何……? 誰の声よ」
「さ、さあ……ちょっと調べるね」
~~~~~~
「神アプリ【Sinri】」
→AI音声認識システム搭載アプリ。読み方は『しんり』。
「へい、Sinri」など、呼びかけることでアプリが起動。
音声を自動で文字に起こしてくれる。また、AI学習機能も備わってる。
~~~~~~
「ほんとにアレク●やS●riみたいなのが搭載された!?」
「え、え? なに、AI音声認識って……?」
えーっとえっと……。
はっ。
「へ、へいSinri。AI音声認識って?」
~~~~~~
Sinri:「AI音声認識システムって?」に、ついて、検索します
Sinri:「人工知能(AI)が、人間の声を分析して、テキストデータに変換する技術、です。キーボード入力よりも、早くデータを入力でき、入力ミスを減らすことができます」~~~~~~
以上の内容が、声となって、周りに聞いてる人にも情報伝達される。
「だってさ」
「なるほど……今までミカは、調べたいことを全部手で打ってたけど、Sinriちゃんが代わりにやってくれるってことね」
~~~~~~
Sinri:はい、そのとおり、です。セイラさま、は、かしこい、ですね(o^-')b
~~~~~~
こ、このAI……顔文字まで駆使してる……!
しかし人工知能まで搭載されたのか、私の
ますます便利になるじゃあないか。
「あ、へいSinri。新しい街に、今難民が何人いるかわかる?」
ぽんっ、という音ともに、Sinriが回答してくれる。
~~~~~~
Sinri:「新しい街」の、人工、で検索しました。
Sinri:「20584人」です。ね。種族の、内訳も、わかりますが。いかが、いたしますか?
~~~~~~
「凄いわねこれ……。ミカの言ったことを、学習して、提案までしてくるなんて」
「すごいな、Sinri」
うーん……Sinriちゃん凄い。
~~~~~~
Sinri:ありがとう、ございます。ルシエル、さま。セイラ、さま(≧∇≦)
~~~~~~
普通に流ちょうに会話してる。顔文字まで駆使して感情表現までするなんて。
セイラちゃんが言う。
「ねえ、Sinri。難民の、種族の内訳わかるんでしょ? なら、それを種族ことにリスト化してくれない?」
~~~~~~
Sinri:「リスト作成」ですね。承知、しました。作成、しました。PDFファイルと、エクセルファイル、どちらも作りました。印刷、しますか?
~~~~~~
「印刷までできるの!?」
~~~~~~
Sinri:ナガノミカさまの、おうちのプリンターと、Wi-Fi接続、完了させております。今、データを飛ばしました
~~~~~~
た、確かに家にプリンターあるけどさっ。
え、Wi-Fi接続までしてくれてたの!?
その手には、難民のリストが握られていた。
「ね、ねえSinri? い、いつの間にトマト君に指示を……。てか、どうやって?」
~~~~~~
Sinri:トマト君、さま、にもナガノミカさまは、スマホ、持たせて、ました。指示を、メッセージアプリで、飛ばしました
~~~~~~
し、Sinri~……!
おまえええええ!
有能すぎるでしょっ!
「すごいわ、Sinri。あなた……とても使えるわね」
~~~~~~
Sinri:セイラさま、ほど、ではありません。Sinri、は、まだまだ、です。セイラ、さまのような、優秀な、御方に、なりたい、所存です( ̄^ ̄)ゞ
~~~~~~
こ、こやつ……! おべっかまで使えるだと!?
「へいSinri。モリガンは今なにしてる? 余計なことしてないかな?」
と、ルシエルがSinriに尋ねる。
~~~~~~
Sinri:モリガン、さまは、先ほどのリスト、を、元に、どの家族、を、どの家、に配置するか、決めております
~~~~~~
「えええっ!? ね、
~~~~~~
Sinri:はい。調べられ、ますよb^ー°)
よろし、ければ、モリガン、さまが、暴走しようとしたら、報告、いたしましましょうか?
~~~~~~
そんなことまで……!
「Sinri……やばいわね」
「ああ……Sinri……すごすぎる……」
~~~~~~
Sinri:(*´σー`)エヘヘ
~~~~~~
これほんとにAIなのだろうか……。
普通に会話してるし、感情表現もするし……。
なんか、SFみたい。人工知能が、人間を凌駕するみたいな……。
はっ……!
私今……なんかすごく嫌な想像をしてしまった……!
「どうしたの、ミカ?」
「なななな、なんでもないよぉ!? と、とりあえずSinri。モリガンの監視はよろしく」
~~~~~~
Sinri:かしこまり、ました。暴走の基準、わからないので、何か変わったアクション、を、したらその都度、報告します。学習、します、ので、教えて、ください
~~~~~~
「う、うん……OK、Sinri。大丈夫。しばらく休んで良いよ」
えー……とセイラちゃんが不満げな顔になる。
「もっとSinriに働いて貰いましょうよ」
「いや、大丈夫。Sinriちゃんはお疲れだから」
~~~~~~
Sinri:お気遣い、ありがとう、ございます。ですが、ワタシ、は、AI、なので、疲れ知らず、です。24時間、365日、働け、ます。どうぞ、ご命令を、出してください<(_ _)>
~~~~~~
ふぐうう……。
「もしかしてミカ神どの……自分の役目、採られるのが嫌なのか……?」
ど、どきーん!
なぜわかったんだし……。
「ああ、Sinriのほうが有能だから、ミカはお払い箱みたいにされるのが嫌なのね」
「はひ……」
「ものぐさ大魔神なんだから、Sinriに全部仕事任せて、自分はのんべんだらりんとしてればいいのに」
「いやまあ、そうだけど。そうなんだけどさ……なんか、いやなのよ」
「なんかってなによ……」
「AIがいれば、私要らないよねー、みたいなのがっ!」
「は……? 意味わからない……。へいSinri、ミカって結局なにがいいたいの?」
~~~~~~
Sinri:ナガノカミさま、は、口では、働くの、嫌がってても、人から頼られることは、嫌い、じゃない、です。だから、仲間はずれは、さみしい、のです
~~~~~~
「私の心の中まで検索できるのか貴様ぁ~~~~~~~~~~~~~~!」
もう便利通り越してるよ!?
AIが
「ミカは人類じゃなくて神でしょ?」
「ミカ神どのは人じゃ無くて神だろう?」
ふぐうう……。
こ、こうして……新しい仲間、Sinriが加わったのだった。
~~~~~~
Sinri:Sinriの起動、には、ナガノミカ、さまの、フェイスID、が必要、です。なので、ナガノミカさま、が、いないと、そもそも、起動できません
~~~~~~
ほぉ……よかった。私用済みって、ならなくて……。
「これから仲良くしようね、Sinri。下剋上なんてやめてよね?」
~~~~~~
Sinri:もちろん、です。ナガノミカさま、は、Sinriを、生み出した、母的存在、です。下剋上、なんて、絶対、しません。狙っても、いません
~~~~~~
ほっ……よかったぁ。下剋上しないって! 絶対! 安心安心。
~~~~~~
Sinri:( ̄~ ̄)ニヤリ
~~~~~~
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