第2話 放課後

「なあ、大和」

「ん?」

「ちょっとお願いがあるんだが...」

「いいぞ」

「やっぱ無理だよな...っていいのか」

「友の助けを見捨てるのは友と呼べず」

「おお、なんかよくわからないけどサンキュー!」

俺恥ずかし!恥ずかし!

「じゃあ放課後に校門付近でな」

「わかった」

どうせ、簡単なことだろうと思った。

……それが間違えたと思ったのは放課後になってからだ。



                〜放課後〜                     

「大和、待ったか?」

「いや全然」

「よしそれじゃ行こうか」

「どこに?」

「ぬふふ、内緒♡」

「…」

「無反応はやめてくれ!?」

なんか嫌な感じはするが、とにかくついて行ってみることにした。

数分後、俺達はにいた。

「帰る」

「待て待て待て」

「何だよ」

「頼むよ〜一人じゃ怖いからさ〜(涙)」

「…」

―そこは剣道場だった。中から竹刀と竹刀で打ち合っている音が聞こえる

「無理だ」

「そこをなんとか!」

「無理」

部屋の前で茶番をし続けると...

「入部希望者かな?」

ほら、声をかけられた。

「はい、そうです!」

「いいえ、違います」

「わかった。入部希望者が2人に増えたよ〜」

あれ、この先輩、話聞いていたかな?

「いえ、ひとりです」

「まあまあ、ゆっくり見ていってね」

「…」

もういいや。これ以上は考えん。

・・・隣で建がずっとニヤニヤしている。後で一発いれるか。

(それにしても剣道か...ずいぶん久々に見た気がする。えっと、最後に見たのは小1、いや、試合だと保育園の頃か。)

俺が見た試合は、すべて祖父のものだ。

目の前で試合をしているのを見ると、心の奥底にある自分が拒絶反応を起こしているが、それよりも、心残りがしょうじ、中和してくれている。

「…」

「…」

・・・いつの間にか最終下校時間になっていたらしい。先輩方に挨拶をして、家に帰っていった。

「すごかったな!」

「…」

「何だよ?まだ怒っているのか?」

「…」

怒ってはいない。ただ、剣道を見ていると、なんとも言えない気持ちが沸き上がってくる。

色々考えるうちに、家に着いたようだ。

「ただいま」

「おかえり〜。学校どうだった?」

「まあまあ」

「そっか〜」

今、目の前にいる女性は俺の義姉あねだ。名前は和田花凜わだかりんという。

旧姓は馬場花凜ばばかりん。高校3年生だ。

 ―そして俺を救ってくれた人だ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そろそろ剣道に入ろうと思います。

―――どうはいろう?

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