第18話 外に出る時の3つの約束  

ある土曜日お母さんに呼ばれてリビングに向かう。


「お母さん何かようー?」

「うんもう未来くんも外に出しもいいと思う歳になったて思ったから。公園とか外に出る時の約束事を決めたくて」

「外に出る時の約束…わかった」


外に出る時の約束か、幼稚園や病院を除けば一回も外に出ていなしな。ついに公園とかにも行けるようになるのか。


「未来くんは約束事として3つ守って欲しいの。1つ目は鬼頭院さんか伊吹山さんのどちらかがいること。2つ目は常に防犯グッツをつけること」

「防犯グッツはあのレックレスでいいの?」

「う〜んネックレスはまだ早いから、今から渡す指輪にしよっか」


1歳の誕生日に貰ったネックレスはまだ早いようだ。お母さんから指輪をもらい中指に入れる。確か指輪をつける場所で効果が違い、中指は邪気払いだった気がする。


「この指輪は発信機がついてるからもし誘拐されたとしても居場所がわかるの。それと指輪を外して折れるようになってて、折ると物凄く大き音が出るわ」


この指輪はネックレスと違い攻撃性は持たないが、多分これで平気だろう。


「1つ目ってシャルさんとかじゃダメなの」


予想だが杏奈ちゃんと公園に行くことが多くなりそうなのでシャルさんもいる機会が多そうなので聞いてみる。


「シャルはね〜強いけどめちゃくちゃというほど強くないから。まぁを凶器持ってる人とかには流石に対応できないらから」


凶器持ってる人前提って、そんなに外って危ないのか?そういえば3つ目はなんだんだろう。


「そういえば3つ目はなんなの?」

「3つ目は……女装することよ」


女装だと!前世の記憶でも一回もしたことがないぞ。まぁ女装するのは男ということを隠すためか。


「どうして女装するの?」

「女装しないと未来くんが男の子だって気付いた危ない女たちが声をかけたり、襲ってくるからしないといけないの。他にも男の子だって気づいた人は滅多にないと思うけどストーキングをして家の情報を反社会的勢力に売ろうとする人もいるの。だから女装はしないとダメよ」

「わかった」


めちゃくちゃ危ないな。てか反社会的勢力に情報を売るってそんなに貴重なのか。


「女装は誰がするの?」

「女装は誰がする?……あぁ未来くんが女装を監修するのは伊吹山さんか鬼頭院さんのどちらかがするわ」

「今から外に行きたいって言ったら?」

「私が監修する」

「!わっ」


驚いたいつの間にか鬼頭院さんが真後ろに立っていた。


「いつからいたの?」

「指輪の話題の時からだ」


よくある最初からいたというパターンでなく指輪の話題の時か…まあまあ前からいたのか。


「で僕はどこで着替えればいいの?」

「ついて来てくれ」


鬼頭院さんについていく2階に行き廊下の突き当たりついたら、ジャンプして足場なしで屋根裏部屋の階段を下ろす。なんだかんだ言って初めて屋根裏部屋に行く。そこは驚きとしかいえなかった。色とりどりのカツラや服、化粧品が溢れんばかりにある。


「こんなにあったんだ」

「本当に多いな、宵崎様やクリスティーナ様、病院の看護師たちが今まで着てきた服や新しく買った化粧やカツラだ」


あまりの多さに絶句していると、


「そこの着替え室で着替えろ、私はあまりに違和感があったり、変じゃなければ文句は言わん」


どうやら服は自分で選ばないと行けないみたいだ。つまり僕のファッションセンスが確かめられる。(汗)

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