第15話 交流2 ワードウルフ

1組目からさんざんな目にあった、次も同じようにならないことを祈るしかない。


「はーい皆さーん注目してくださーい。次はこのくじ引きを引いてください」


くじを引いて先ほどのように同じ絵が描かれている札がある机に向かう。既に見覚えのある少女と、子供には危険そうな萌え袖服の2人の幼女が喋っている。そのうちの片方、大野空がこちらに気付いた。


「おー未来やないかこれはあたりをひいたさかい」

「空か、えっと初めまして、宵崎未来って言うんだけど。呼び方はみーくん以外ならなんでもいいよ」


そう言って、片手を出す、


「し…しい…椎名凛シイナリン…よっよろしく…あくしゅ…していいの?」

「もちろん」


笑顔で返すと、椎名さんは赤面で、


「もっもしよかったら…り…凛てよんで」

「わかったよ凛」


再びニッコリのスマイルで返すと、赤面のまま俯いてしまった。


「凛はてれやなんや、おとこのこにもよくはんのうするさかい」


相変わらずのエセさが抜けない関西弁を話す空と、通常の顔に戻ったが度々こちらを見てくる凛と軽く雑談をする。しばらくすると、


「はーい、皆さん新しいグループでよりなかを深めるため遊びましょう。次の遊びはワードウルフです、ワードウルフは………(以下省略)」


ルールを説明されカードが配られる、カードをめくると『おかね』と書かれている。


「では、はじめてくだおさーい」

「誰から話すん?」

「じゃ僕からいかせてもらうよ。これはね、あればあるほどいいね」

「たしかにあればあるほどうれしいなー」

「わたしもうれしい」


流石に凛ちゃんが被せた可能性があるだけで、最初からウルフが誰かわからないか。


「わ…わたしからいい?これがないとかなりつらい」

「あーたしかにこれがもらえないとかなりつらいな〜」

「つらいね、今は親からもらえるけど大人になったらたくさんもらえるような人にならないといけないしね」


男だから毎月お金が支給されてるけど、女性はお金を稼がないとかなりできることが少ない。


「みっ未来くん、1ついい?」

「ん?いいよ」

「それって杏奈にあげたことある?」


お金を杏奈ちゃんにあげたことは一回もないな


「1回もないよ」

「わかった。ありがと」


その後も話あいをしたが全くウルフが自分かどうかすらわからない、


「はーい終了でーす」


終わってしまった、もしかしてだがウルフに勘付かれてるのか?


「ウルフだと思う人の名前を紙に書いて〜」


全くわからなすぎる、なんとなくで『そら』とかく。


「はいあげてくださーい」


『そら』『みらい』『みらい』と書かれている。あれ?お金ってウルフなの、さっきある時期にたくさんもらえるって話たのに。


「未来くんのワード、おかねでしょ」

「そうだけどなんでわかったの?」

「べたなネタだからよそうがついた、わたしたちは『あい』杏奈ちゃんにあげてないっていったから未来くんがウルフだってわかった。だからウルフだってわからなかった」

「ちな、うちもおなじりゆうやでー」

「このゲームは、よそくすることがたいせつ」


やっとこのゲームのやり方を理解した、ある程度相手にどんなワードが来てるのか予想するのが大切なのか。これを知った今もう一度やりたいが、もう一回やるのか?


「うーん…一回で辞めようと思いましたが、やりたそうにこちらを真剣に見ている人がいるためもう一回やりましょう」


ありがとー保育士さん、カードが配られる。『スキヤキ』と書かれている。つまり今回は、何鍋なのか予想すればいいのか。


「では、はじめてください」


「これってみんなで囲ってやるよね」

「かこってやさかい」

「みんなでやるともりあがりますね」


盛り上がるか…闇鍋とかフグやカニ、大体の鍋は盛り上がるは盛り上がるか…


「あじをつけるときは、ひとによるねー」

「それでにくのあじもかなりかわる」


味をつけるか…もしかしてタレとかの調味料のことか、てことはポン酢やゴマだれがあるしゃぶしゃぶか。


「うんうん、たまにつけすぎてビシャビシャになったしね」


ここは信頼を勝ち取るために博打にでる。


「やっぱ肉は一個一個が長いから食べづらいよね」

「そうね」

「たしかになー」


たとえスキヤキだろうがしゃぶしゃぶだろうが肉は長いから安牌の一手。そして話を続けてついにきた、


「はーい終了でーす」


今回は、名前を書く人0を狙えるはずだ。


「ウルフだと思う人の名前を紙に書いて〜」


正直怪しかったので『りん』とかく。


「はいあげてくださーい」


『りん』『みらい』『みらい』…まさかの既視感デジャブ


「ふっ2人はなんなの、しゃぶしゃぶじゃいの?」

「「やきにくだよ」」


まさかの鍋ですらなかった。


「どこで気付いたの?」

「にくがながいていうひとはあんまいない、たいていあつい」

「おなじくな〜」

「そっそうですか」


交流2組目の結果惨敗

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