第2話 誕生2

あの後ひたすら泣いて寝た。目が覚めた。


「オギャぁぁあ(知らない天井だ)!」


あんまり首が動かないため目を動かす。見た感じどうやらここは病院のかなり高級そうな部屋だ。母親はかなりの裕福なお家なのだろうか。泣いたはいいが泣き止むことができない。

どうやったら泣き止むことができるか考えていると、医師と看護師、スーツを着た人たちがやってきた、全員女性だった。美人ではあるが母親ほどでもなかった。先頭にいた医師がまず前に出てきて、


宵崎永遠ヨイサキトワさま、まず初めにご出産誠におめでとう御座います。また、当病院で初めて男性を出産するという経験をさせていただきありがとう御座います。申し遅れました、私当病院の院長を務めさせていただいている綾小路千代アヤノコウジチヨと申します。」

「病院の院長がわざわざありがとうごぞいますどのようなご用件でしょうか。後そちらのスーツを着た人たちは誰でしょうか」


どうやら母親の名前は宵崎永遠というようだ。だとしたら自分の名前は、宵崎未来かな?てか、ものすごい目力でスーツの人を睨んでいる。あまりの迫力にやっと泣き止むことができた。


「まず私のご用件から申します。まず1つ目に宵崎様は男性を出産されたため国家男性法により半年の間、病院に入院することが義務付けられらています。それによりご自宅の警備、状態の維持等の費用を国に申請する書類になります。2つ目に当病院で半年どのようなことをするのかの大まかなスケジュールになります。ご希望する日がありましたらこちらの紙にご記入ください。私からは以上になります、あとはこちらの絹江佳子キヌエカコ様の話になります。」

「先ほどご紹介いただきました厚生労働省男性総合課の絹江佳子と申します。単刀直入に申し上げます東雲永遠様の養育権を強制的に破棄されるかの最終審査を始めます。」


!!!!!えっどういうこと?そもそも養育権って強制的に破棄できるの?お母さんはかなり落ち着いている。


「最終審査ってことはそれ相応の理由があるわけですよね?」

「はい。宵崎様は極度の男嫌い、そして過去に一度事件を引き起こしている。そのことから、虐待をする恐れがあるためです。」

「可能性だけで最終審査することはあるの?」

「私たちは、あくまで虐待等を未然に防ぐのが仕事ですので」

「そうですか」


そう言って絹江さんは一歩下がった。お母さんは目を瞑って考えている。何分経っただろう?お母さんは突然目を開け


「最終審査はどう受ければいいの?」


先ほどまでと違う凛とした感じで圧を感じさせながら話し始めた、


「最終審査は私の目を見てください。そして質問に‘はい‘か‘いいえ‘でお答えてください」

「わかりました」


母さんはベットから立ち絹江さんと見つめ合う、


「では、まずあなたはご子息に暴力を与える気はありますか?」

「いいえ」

「次に、あなたはご子息が自立するまで面倒を見ますか?」

「はい」

「最後に、伏魔嵐フクマアラシ様のようになっても愛することはできますか?」

「っ……はい」


見つめ会っている2人を見ながら、伏魔嵐って誰だ?そんなことを考えていると、


「………わかりました、宵崎様は最終審査でご子息を育てて良いと判断します。では、これにて私は帰らせてもらいます」


そう言って絹江さんは部屋から出てった。お母さんは、先ほどの圧が嘘のようになくなって優しい目で、


「これからも、一緒にいれるね」


と微笑んだ。

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