第16話

フェンリルに真摯に乞われ、雄真は俯き 黙り込んでしまった




「………我と共に在るのは嫌か?」




そう、悲しそうにフェンリルに尋ねられ、雄真は急いで口を開いた




「!!


そ、そんな事ないよ!


………でも、ルーはそれで良いの?


例え、どんなに嫌な事だったとしても従わなきゃいけない事もあるかもしれないんだよ?」




恐る恐る言ってみると、フェンリルに鼻で笑って一蹴されてしまった




「フンッ


お主はそんな事はしないであろう


だから良い


それに、我はお主と共に在りたい


だから自ら契約を持ち掛けた


お主が嫌なら強要はせんが、嫌ではないのであれば、

我をお主の……雄真の横に居させてはくれぬか…?」




雄真は泣きたくなった


フェンリルにそう言って貰えて、

会ってまだ1日も経ってないフェンリルに、

そこまで信用されていると思うと、とても嬉しかったのだ




「………そっか……


嫌じゃないよ


とても嬉しい、ありがとう」


「…じゃぁ、……」


「でも、契約はしないよ?」




フェンリルの言葉に被せて言うと、些か怒気混じりな声で尋ねられた




「………何故?」


「…だって、使い魔契約なんてしちゃったら主従関係が出来ちゃうじゃん


僕は対等な関係で居たいから、ルーとは友達になりたい」




雄真の言葉にフェンリルは目を見開いた

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