第14話
言葉に詰まり俯いた雄真に、フェンリルは悪い事を訊いてしまった と、急いで次の言葉を紡ごうと喉を震わせる
「あ………
…その、………」
だが、フェンリルが発した言葉は何の意味も持たず、
ただの音として地面に転がるしかなかった
そんな彼の優しさに触れて、雄真は顔を上げてフェンリルの顔を見て、弱々しくだが笑い、言葉を紡ぐ
「………大丈夫だよ
ありがとう、ルー」
「ぅ……うむ…」
ありがとう と呟く様に言った雄真
礼を言われる様な事などしていないのに… と、フェンリルの瞳が雄弁に語っていた
フェンリルは礼を言われた事に対して納得出来ていなかったが
一応肯定する
ただなんとなく、そうした方が良いと思ったのだろう
その後に何故か話しづらくなり、どちらともなく黙ってしまい、2人の間に沈黙が横たわる
が、直ぐにフェンリルがそれを壊す
「………雄真……」
「…ん?」
戸惑いがちにフェンリルが雄真の名を呼んだ
ボー っとしていた雄真は少し返事が遅くなってしまった
「雄真……
………雄真には使い魔は居らんのか…?」
「え?
居ないよ?」
フェンリルからの突然の質問に、
何故こんな事を訊くのかと疑問に思いながらとりあえず答える
異世界に来たばかりなのに使い魔召喚などしていない
「……そうか
……………なら我を……
我をお主の使い魔にはしてみんか………?」
おずおずとフェンリルが雄真に尋ねた
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