第5話

ガツンッと大きな音がして、変態の頭が地面に半分程のめり込んだ


変態の顔に乗ったままの足をそのままに、グリグリと踏みつける




「……なぁ、聞いてんの?


俺 はふざけてんのかって訊いてるんだけど


さっさと答えろや、愚図」


「ご、ゲッ……は、ぁ…、す、みま…せ……」


「あ?


聞こえねぇ


神名乗ってんなら回復ぐらい直ぐに出来んだろ


さっさと言えや、ボケ」


「は、はい……!」




震えた声で返事をした変態(愚図)


その後に一瞬だけ光り、折れ曲がっていた鼻や、何処かへ飛んでいっていた歯が綺麗に元に戻った




「す、すみません!!


ごめんなさい!!!」


「謝って済みゃあ、ケーサツ要らねぇんだよ、クソが


俺 の腐に満ち満ちた新生活をブッ壊しやがって


こっちもテメェの人生もブチ壊してやんぞ、ゴラ?」




一際強く踏んでやれば、くぐもった声で話し出す変態




「す、すいませんでしたぁぁあぁ!!!!!


だっ、だから、なので!


僭越ながら!


貴方様に新しい人生を歩んで貰おうと思いまして!!


どんな願いでも叶えますので!


どうか赦して下さい!!!」




必死に言い募る変態


俺 の手が微かに、ピクリと動いた




「……… “どんな願いでも” …?」


「そ、そうです!


私は神様なので何でも叶えられます!!」




変態の瞳が微かな希望に光った


同時に、 俺 の瞳も妖しく光る




「………ふぅーん…」




変態の顔の上にある足を退ける


変態は、のっそり上半身を起こす


その変態に視線を合わせる為にしゃがみ、 僕 は言った




「…じゃぁ、新しい薄い本ちょーだい!」


「…………へ?」




変態は間抜け面をして聞き返してきた

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