第63話
粗方腫れが引いた所で急いで仕度を済ませる
早く行かねば 彼が待っている
早く行かねば 怖じ気づいてしまわぬ内に……
気付けば、充はあの公園への道をひたすらに走っていた
早く 早く
早く奏くんに会いたい
と、ただそれだけの思いで必死に走った
他人から見れば たったそれだけの理由 と、思われるだろうが充からしてみれば、それ以上の理由など何処にもない
充の中で奏くんとは本人でも知らぬ内に1番大切な、 大好きな人 となっていた
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