第51話
少しの沈黙の後
奏《……そっか…》
小さく、震えた声が返ってきた
その瞬間、自分の都合しか考えず断ってしまった事を、心から悔やんだ
奏くんは優しい人だ
この2ヶ月近くは、電話とメールだけで全く会えていない
ずっと、充が会う事を拒否し続けていたから
その度に奏くんは 「そっか…」 と悲し気に呟くだけで、無理に誘ったりして来なかったし、充を責める事もなかった
オレは、それに甘えていたんだ………
それを痛いくらい、痛感してしまった
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