第52話
「戦況を見てくるよ」兄貴が、外に出て戦況を見てくるらしい。
物量で押されない限りは、今の部隊なら大丈夫だと思うけど……。
☆
「右舷より敵影距離ヒトゴマルマル四小隊、二小隊SRMッテー!!」正直、自分は司令官より動いていた方が楽だ。
それは今でも感じている。
それでも、皆を纏めて闘うのは私の使命だ。
愚痴りたくなったら……。
「お待たせ理、戦況はどうだい?」
「始まったばかりだ。相手が鈍いから敵に合わせるのが面倒だよ」隣に来てくれる
「第六が使えれば瞬殺なんだろうけどね」当然の様に言う勝時に苦笑いしつつ。
「いや、駒として予想以上に優秀だようちの部隊は……第三第一出れるな?一気に殲滅せよ五秒後に対空砲を打つ、その後に突撃せよ!!」
『『
「3、2……対空ッテー!!」
重機関砲をAI制御で敵から放たれたミサイルを薙ぎ払う。当たらなかった物は地対空ミサイルで迎撃する。空中で爆散して、爆風で巻き込むミサイルだ。ここ迄の工程が、属に言う弾幕である。
敵からのミサイル攻撃が無くなれば、後は綾波二式の出番だ。今の所、コチラの部隊に被害無し、攻めると言う事はこれだけ難しいのだ。
「第三出過ぎだ!!第一サポート!!」
「そうかい?良く動いていると思うけどな?」勝時がモニターを見ながら首を傾げる。
「動き過ぎていれば良いと言う訳でも無い。実際、第六並みに動けるなら別だけどな」
「彼らと、比べるのはな……おっと、危ないな、第一のサポートが無ければ、一機撃沈だったか?」
右舷からの奇襲を受けて、一機の綾波二式が被弾する。
腕が破損したか……。
「第一が前に第三がサポート!!……急げ!!」第三からの抗議の声が聞こえたけど、無視をした。
「荒れてるねー」勝時が肩をすくめるけど、
「しょうがないだろ?死ぬよりはマシだ。まぁこの前のアメリディアとの模擬戦を見ていたら、自分もやれるのでは?と思ってしまっても、しょうがない」あれは、凄かったからな、ワンオフ対ワンオフの戦いがここ迄凄い物かと思ってしまった。
特に、六花零式の凄まじい動き……、アレは私でも敵わないだろうな?例え、腕に馴染んだ綾波零式があっても……。
勝時の作った、マンインターフェイス、あれは何気に恐ろしい。普段使われていない脳の稼働率を徐々に上げて行くのだ。まだ、調べていないが勝利の脳の稼働率は常人の物に比べてドンドン広がっている。それに合わせて身体も疲れるのだろうな?
医師の判断もあったが、しばらく零式に乗せない方が良いだろう。
「勝時、零式は動かせるか?」
「あぁ、直ぐにでも動かせるさ、実際ドゥナルドIII戦はほぼ無傷だったからね」科学者の顔で勝時は話す。
「そうか……勝利の方には?」
「……しばらく掛かるって言ってあるよ。あれは、人に無理をさせる機体だしね」
「……その辺の事は、私には分からない。頼むよ勝時。あの子は《《スペシャル》》だからな」
「本人は、言われるの嫌がってるけどね」苦笑する勝時。
向かっている名古屋基地迄は後一日、そこで補給をして先に進む予定だか……。
いけないな、戦闘中に無駄な事を考え過ぎているか?
結局、戦闘が終わったのはそれから十分後、コチラは無傷だったが、時間はかけ過ぎたかな?
とりあえず、敵はともかく、味方は死傷者ゼロだったのが、幸いか……。
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