第41話 

『お別れの儀式は済んだかな?』

 物騒な言葉を、ドゥナルドJrから聞き、苦笑する。


「これは、模擬戦だったのでは?」言いながらも、まぁこれに関しては多分、ドゥナルドJrと同じ考えなんだと思う。


『日本では、模擬戦と書いて決闘と読むのでは無かったかな?』

 ドゥナルドIIIは動き出す。力強くも、スピードは先程戦ったエヴァー・ライズよりも少し遅い位だ。


 右肩に強力な大砲である荷電粒子砲。それを支える様にサブアームが付いている。


 両腕にアサルトライフルを一丁ずつ持ち、それを支える各サブアーム。


「まるでクモだな」強い力を持ちつつも、結局自分だけでは何も出来ない貴族様……では、あのサブアームは執事か?


「まぁソレを言ったら、コイツ零式は最高の執事持ちが二人もついているけどな!!」


「行くぞアルフ!!エルフ!!」背中の二つの花弁の様なユニットが空中に舞う。


 Right Flying Weapon Rack 通称アルフ


 left Flying Weapon Rack 通称エルフ


 AIで完全に制御された自律型ドローンとうか飛行ユニット。


『喰らいなさい!!』ドゥナルドIIIが両腕のアサルトライフルを乱射する。


「アルフ!!」アルフは近接武器等の専用ウェポンラック。絶妙のタイミングで専用のシールドを手元に下ろす。

 シールドを掴み、アサルトライフルの乱射を防ぎ、


「エルフ!!」エルフは遠距離兵器等の専用のウェポンラック。シールドを手放した瞬間にグレネードランチャーを下ろす。


 そして、アルフはシールドを回収する。


「コイツの硬さは知っているけど!!」グレネードランチャーを三発連続でドゥナルドIIIに撃つ!!


 命中!!


 炸裂音と共に、やはり動きが鈍らないドゥナルドIII。


〈腹部命中損傷率5%左脚部損傷率4%右腕部……〉駄目だ、どれも完璧に当たっているのに損傷は軽微……。どんな装甲を使っているんだ。


「エルフ!!」僕がグレネードランチャーを空中に投げるとエルフは、空中で回収して、代わりにサブマシンガンを渡す。


 アルフと、エルフはこちらが指示しない限り、自分で考え、的確な兵器を渡してくる。勿論弾込め自動装填だ。


 こちらは、相手を倒す事にのみ集中すれば良い。


 零式は、敵の銃を避けながらサブマシンガンを乱射する。


『ほぅ、便利な物だな……まったく日本人という奴はそう言う面倒な物を作らせたら天下一品だな』ドゥナルドJrが感心した様に笑う。


 ここ迄の攻撃をしてみて、こちらの銃撃爆撃はほぼフルで命中しているにも関わらずほとんどダメージが通っていない。これはアチラのワンオフ専用機の装甲が特殊か、防御システムが特殊か……いや、どちらもと、いった所か?


『何故、ダメージが入らないと思っているようだね』おやおや、また名探偵気取りか?


「うるさい!!とにかく固くて強ければ良いんだろ?あんたは!!」


『ご明察だよワトソン君、このドゥナルドIIIの装甲には、サンドイッチスライムアーマーが使われている』


 サンドイッチスライムアーマー!?


 イキナリ、ファンタジーなネーミングにあ然としつつ僕は何となく、その正体を掴む。


「なるほどね、二つの金属の間にスライムの様な液体金属を挟む構造?となると液体金属はインパクトの瞬間だけ、固くなる特殊液体か?なら……」


『なっ……流石、勝時の弟。その一言でそこまで……』何故か、ドゥナルドJrがあ然としている。


「どうしたんですか?貴方が名前を教えてくれたじゃないですか?」


『黙れ!!正体が分かった所で、何が出来る!!』

 口の軽さが仇になる。何故か、怒り心頭のドゥナルドJrはアサルトライフルをフルオートしてくる。


「正体が分かれば後はトライアンドエラーだろ!!エルフ!!ファイアースロワー&グレネード!!」僕がエルフにチョイスしたのは火炎放射器とグレネードランチャーだった。




















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