第31話
「模擬戦!?」意味が分からず、聞き返すと理さ……いや司令官が、
「この件に関しては、
司令官からの言葉に、
「それは、命令ですか?」
小さく手を上げて第一吾妻小隊長が質問する。
「そうだな……そうとって貰って構わない」
「了解です《ヤー》!!」
その場にいる全員が敬礼する。
「うん、先ずは先程も言った通り、ドゥナルド・ポーカー……面倒臭いな、ドゥナルドJrが提案して来た事だが、アメルディア合衆国第二十三部隊、略してアメルディア軍より軍事演習を兼ねて我々の戦人と模擬戦をしたいとの申し出があった」
何時も冷静な理司令官らしさを取り戻し、アメルディア軍との通信を話し始める。
「先ず、第一前提として伝えて置かなければならない事ではあるのだが、私、六花理と六花勝時は先程のドゥナルドJrとはアメルディアに留学した時の顔見知りであるとだけは、言っておく」少し、歯に何か詰まった様な物言いだが、この話は、弟である僕でも聞いた事が無かった話だ。後で、聞いて見ようか?嫌な顔をされそうだけど……。
「ドゥナルドJrは、先程の大アジア帝国を発見した際に、大アジアの司令官と思わしき男の言葉を傍受したらしい。その話の内容にはフレイだけは必ず捕らえ他は全滅させろとか、あーまぁ良いか……真砂君、ここからの先の記録は無しだ」
「はい、了解しました!!……上手く編集しておきます!!」理司令官の言葉に何となく嬉しそうに真砂さんが言った。
「規律違反何だぞ?あまり嬉しそうにするな」司令官の言葉に真砂さんは、妙に真面目なそぶりで敬礼する!!
「
ため息をつく司令官に真砂さんを含む全員で敬礼した。何だかんだで、皆司令官の事が好きだな~、いや前が悪過ぎたからな……。
「まぁ、アファムのワクチンのデータの件とか色々情報として大アジアの馬鹿共が、いや大馬鹿かな?あちらの大馬鹿な司令官を除いた他の大アジアの兵士達に失礼だ」司令官の口からの馬鹿の大量発生に軽く笑いがおきる。
「静かに!!まぁ諸君らに何が言いたいかと言えば、これから諸君らは今の日本におけるトップシークレットであるアファムとそのワクチンの秘密について、その一端に諸君らは踏み入れようとしているのだ。その責任を持って行動して欲しい、分かったか!!」
「
つまり、もう貴様らは後戻りはさせないと言う理司令官の意思表示でもあり、アファムのワクチンとフレイは深い関係性があると言う事を暗に仄めかしているのだ。
「大丈夫ですぜ六花司令官!!この秘密は皆墓まで持って行きます!!」吾妻小隊長の言葉に、僕は続ける。
「同じく!!死んでいった
「誓います!!」僕の言葉にその場の全員が敬礼する。
「あんな第六の小隊長より若そうな女の子、俺達の手で守ってやるぞ!!」
「
そう言えばフレイは何歳なのだろう?意外に僕より年上だったりしてな?
「盛り上がっている所すまんが、そこまで重要な事はいわんよ。本当に我々の首だけでは済まなくなる」ワイワイ互いに士気を高める僕らを尻目に司令官は小さく警告する。
「まぁ、その辺の秘密を例のドゥナルドJrは知ってしまったのだが、奴はそれについて何も言わずに我らが隊の新兵器と戦いたいと言ってきた」途端に場は静かになる。つまりこの件はアメルディアと一戦構える可能性を示唆しているのだ。
「奴はいったい何処まで見ていたのか知らんが、あの青い戦人や赤い戦人と戦ってみたいといって来たのだ」
「そんな機体は知らないってバックレたら良いんじゃ?」吾妻小隊長の言葉に、
「もちろん、そんな機体は知らないと言ったのだが、そう言ったら奴は一言、『それはアファムのワクチンよりも大事な事なのかな?』と言って来た」
ここで脅しを掛けてくるのか?流石、アメルディアの大部隊を任せられるだけはあるか……単なる馬鹿って訳じゃ無さそうだな。
司令官の背後のカーゴトラックのドアか今日にバタンと音を立てて開き、中から人が出てくる。
その場の全員が、すぐさま銃を構えるが司令官は「待て!!」と皆に停止を掛ける。
「あの
「その上で、理の結婚なんか認めない!!勝時の作った戦人と勝負させろ!!そうすればアファム関係の映像やデータの全てを消すんだってさ!!俺の目の前で言いやがった!!」
「あ〜もう、面倒になるから縛って置いたのにどうやって解いたんだ!?」理さんが頭を抱えている。兄貴、見ないと思ったら縛られていたんだ……。
「丁度、綾波改や零式の戦闘データも欲しかったんだ!!勝利、お前が行け!!いや、お前の隊が行け!!」
「兄貴!?」
久しぶりにブチ切れている兄貴を見て、慌てていると、
「勝手にお前が決めるな!!」切れた兄貴を見て、更に切れた理司令官が切れる。
今度は僕が頭を抱える事になった。
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