第4話
ポイントに着くと、待っていたかのように、通信が入る。
『六花隊長、第五の隊長だ』
「こちら第六、ポイントに着きました」
『敵は五隻の揚陸艇から海岸線より上陸している。あのバカは、迎撃すらせずに上陸を許してる。きっと敵は迎撃をコチラの作戦だと思っているぜ?』はぁとため息が聞こえ、一言『すまん』と言う声が聞こえた。
全部、司令官の僕達に対する嫌がらせなんて、思いもしないだろうな。
『第七だが……』もう一人被害者からの、通信が入る。
「こちら第六です」その口調から、かなりの苦悩を感じて、こちらの抗争に巻き込んだ責任を感じる。
『我々は、どうしたら?……』
「司令官の命令に従って下さい。僕達の事は気にせずに、多分その場で待機する様に言われたんですよね?」
『……あっ、あぁ』
「なら、それでいい貴方は兵士として間違っていない」
『しかし……』
「僕等はすでに三対十五で計画立てています。こちらの事を気にしなくて大丈夫ですよ」
『しかし……』
『その辺にしろ第七、第六がこう言ってるんだ』
『何言ってんだ!!十五対三だぞ!!ふざけているのか!!司令官は気が狂っている!!』
『よせ、それ以上言えば、あんたも仲間も、第六も立場が悪くなるんだぞ!!』
『だからと言って……』
「ハイ、ストップそろそろ時間だ後は任せて下さい」食い下がろうとする第七隊長にストップをかける。そろそろ作戦開始の時間だ。
『悪いな第六』
「良いですよ、とりあえず最初から最悪を想定してましたから。それにしても……前回の第五の隊長の言葉を聞いてるみたいで笑いを堪えるのに必死でした」
済まなそうな第五の隊長に何事も無かった様に僕は答える。
『そう言うな……まぁ君等なら大丈夫と信じてる、頼むぞ』
「了解!!」
さぁ雑談は終わりだ。
「第六小隊行くぞ!!」
『
三機の戦人が杉林に入っていく。
日本の杉林は高く平均三十〜四十メートルの高さまで高くなる。約十五メートルの戦人でも楽に身を隠す事が出来る。この天然の迷路で僕達は敵を向かい撃つ。
「雄二!!敵の動きは?」通信は仲間の戦人の肩に触る接触通信。これが一番、隠密性が高い。
『前から二小隊(六機)挟み込む様に一小隊(三機)ずつかな?』
「よし、ここからドローン展開!!こちらも散開する!!道力も頼むよ!!」
『
三体の戦人は、雄二の一機を残して散開する。
雄二の戦人の背中から、ドローンが六機飛びたって行った。
前方から
ガガガッ!!と炸裂する音。前方の杉の木が二本程、音を立てて倒れる。
「危ねえ!!」綾波二式の機動力が無ければ運が悪ければ脚部辺りが巻き添えになっていたな。
間一髪で!一本の杉の木は避け、もう一本は左足で回し蹴りをして杉の木を蹴り倒す。
「やるじゃないか!!雄二、ドローン!!」
僕からの命令で、六機のドローンは前方に展開する。
次の瞬間、六機の綾波二式が敵の目の前に現れた。
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