第2話 モニカはおひるね、よるねられるかな?

 モニカにはおにいさまとおねえさまがいます。


「リジェルよん。ヨロシクね。モニカのあねをさせてもらってまぁす」


 自己紹介じこしょうかいありがとうございます。


 リジェルひめは18さい。モニカとずいぶんとしがはなれていることもありますが、母后おかあさまがご病気びょうきでおやすみがちなこともあり、モニカはおねえさまのお世話せわになることがおおいのです。


 コンコン……。


「はい」


 つきのないくらよる、よわよわしいノックに寝室しんしつのリジェルはこたえました。


「ねえたまぁ」


「なぁに、モニカ?」


「ねむれないのでつ」


「お昼寝ひるねしすぎちゃったか」


「うぅ……」


一人ひとりでここまでたわけ?」


「ケルスといっしょでつ」


 ケルスはおっきくてしろながのもふもふわんこです。モニカの一番いちばんのおともだちです。


「そ。ケルス、ありがと」


 ケルスはお利口りこうにもりました。姉妹しまいのなかよしをおじゃましないのです。


「おいで、モニカ」


「あい」


 リジェルはベッドでごほんんでいましたが、モニカをそのとなりにまねきました。モニカはごそごそとおおきなベッドへ。まるでくものようなふわふわのお布団ふとんのなかをおよぐようにして、大好だいすきなおねえさまのもとに。


 リジェルはにっこり。


「本、読んであげよっか?」


「あい!」


「じゃあ……」


 リジェル、ニヤリ。


「『数学的すうがくてき魔法まほう解釈かいしゃく、あるいは効率的こうりつてき魔力運用まりょくうんようについて』だい2しょう……」


「にゃあっ!」


「なあに、大きなこえしてぇ」


絵本えほんがいいのでつ!」


「この機会きかいにお勉強べんきょうしない?」


「や!」


むずかしいほんのほうがられるんじゃない?」


「や! ねえたま、いじわるでつ! きらいでち!」


「そぉ? わたしはモニカ、大好きだけどな」


「キャハハハ! こちょこちょしたらダメでつぅ」


「フフ……。ま、いっか。いつまでもられないのもね」


 リジェルは本をき、絵本えほんひらきました。


「くらいくらい、くらいよ、こわいよ、おばけがそこにいるよ……」


「やあぁぁっ!! こわいおはなしもだめなのでちっ」


「アハハハ」


 ちょっといじわるだけど、本当ほんとうはとってもやさしいお姉さまです。

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