モニカが笑えば、ぽかぽかな日々♪ きょうはなにをしようかな？

第1話 モニカとシュークリーム、じょうずにできるかな？

　とある王国（おうこく）の末（すえ）の姫（ひめ）さま。

「モニカでつ！　ごたい（5才）なのでつっ！　むふん！」

　はい。やる気（き）まんまんなごあいさつ、ありがとうございます。

　おやつの時間（じかん）のまえ、まちきれず、キッチンにしのびこんだモニカ。

　そっと、そぉっと。

「シュークリームでつ！　一（ひと）つもらうのでつ！」

　クフフフと、ふくみ笑（わら）い。あらあら、つまみ食（ぐ）いなんて、いけない子（こ）。

　そぉぉっと、テーブルのうえに手（て）をのばして……。

「あ、姫さま！」

「うきゅっ！」

　みつかってビックリ。あわてたら、ボールに入（はい）ったたくさんのカスタードクリームを頭（あたま）からかぶってしまいました。

「あまいのでつ！　おいしいでつ！」

「ああ、たいへん！」

　パティシエは腕（うで）によりをかけたクリームが台無（だいな）しになってしまったことよりも、愛（あい）らしい姫さまを心配（しんぱい）して青（あお）い顔（かお）。

「おけが、ありませんでしたか？　だいじょうぶですか？」

「ごめんなたい」

　モニカ、シュン。

　パティシエ、にっこり。

　モニカはお付（つ）きのメイドさんに連（つ）れられてお風呂（ふろ）へ。

　さっぱりきれいになったら、パティシエといっしょに大好（だいす）きなシュークリームをいっしょにつくりました。

「できたのでつ！」

「おじょうずです、姫さま」

「みんなといっしょにいただきまつなのでつ！」

　あらまあ、すっかりごきげん。

　モニカはじょうずにできたシュークリームを「うんしょ、うんしょ」とテーブルに運（はこ）びました。まっしろなテーブルクロスの上（うえ）には、ふわふわあまいシュークリームがいっぱい。食堂（ダイニング）には笑顔（えがお）とあまい香（かお）りがいっぱい。

「いただきまつ！」

「いただきます。……これはおいしい。モニカ、じょうずにできたね。えらいぞ」

「えっへん」

　いたずらしたことなんてすっかり忘（わす）れて、父王（ちちおう）さまにもほめられてニコニコ、胸（むね）を張（は）るモニカです。

「モニカがつくりまちた！　みんなで食（た）べるとおいちいのでつ！」

「はい、よく出来（でき）ました」

　姉姫（あねひめ）リジェルもほほえむ、ぽかぽかな午後（ごご）のひと時（とき）となりました。