第32話、最期
俺は疲れた体を無理をして残りの幹部、フロアーナに攻撃を仕掛けたのであった。
しかし、流石にフロアーナを倒させるのはまずいと考えたのかアンナが援護してきたのである。
大変な状況であるがアンナがわざわざフロアーナを援護すると言うことはフロアーナが倒されてしまって問題があると見て良いだろう。
そうなるともしかしてアンナにはゾンビたちを操る能力がないのかもしれない。そうなれば状況は大きくか分かることになる。
大量のゾンビが使い物にならないどころか大きな障害になるのだ。その被害は計算もできない程になるだろう。
ここが運命の分かれ道だと覚悟を決めて再度、フロアーナに攻撃を仕掛けるのだった。
そしてまたしてもアンナの妨害にありながらも次は攻撃を決めた。しかし、フロアーナはあの知力だけの宇喜多とは違い、それなりに実力を持ち合わせていたのか大した決定打になっていない。
けれども確実にダメージが入っていることには間違いはない。ならば一撃必殺で倒すしかないなと感じて俺は刀を一度、鞘にしまい込んでから気を刀と腕に集中させ始めた。
それを見たアンナがまずいと気がついて俺に対して猛攻を仕掛けてきた。
その猛攻を受けながらも耐えていた、これさえ決まればこちらの勝利は間違いはないのだから、この技は初代フェニックス様が編み出した技の一つで俺が長年かけてようやく習得したやつである。
その名も紅桜、これはかなり強力であるが発動するのに時間がかかってしまうのが難点であるがその代わりに強力な一撃を与える事ができる。
時間を掛けられては数が圧倒的に少ない俺が不利、ならば勝負は一気に決めるしかない。俺も若くないから体力もすぐに限界が来てしまうだろうしな・・・もう少しだけでも若ければ何とかなったかもしれないが。
それでも目の前にいるフロアーナと言う吸血鬼だけでも倒さないと未来の者たち・・・そして大将に申し訳ないと俺は技を発動させるのだった。
「日輪に舞え、紅き桜よ、天高くまで舞い上がり、かの者たちを黄泉へと導く花道となれ・・・・奥義!紅桜!!!」
その瞬間にしまい込んでいた刀を抜刀してフロアーナを斬り、刀を鞘にしまい込んだ瞬間、フロアーナから紅い桜が溢れるように舞い出した。
フロアーナはこんな所で死ぬ訳にはいかないと必死に何とかしようとしていたがそれは無意味だと言っているうちにフロアーナの体全身におい隠すように紅い桜が舞い、そして空高く舞い上がりそのまま消えていった。
大将が編み出した技で死ねたのだ、あの世でせいぜい誇るが良いと思っているとゾンビたちが統率とれなくなりアンナの軍勢でゾンビ以外の者たちを襲い始めたのである。
これは思わぬ嬉しい誤算と言うやつかなと思っていたらアンナが貴様ー!ともう怒りを隠そうとせずに俺を見ていた。
ざまあみろと言うやつだなと感じていたが俺にはもう戦う手段が残されていなかった。
先程の紅桜で無理をして発動させてしまったから右腕が完全に使い物にならなくなっていたのだ。
左腕もかなり限界に来ており肩から血を流していた。戦うことはもう不可能だと考えていたらアンナに向かって多くゾンビたちが群がって来たがアンナは平気な顔で迎え撃っていたが俺は今なら逃げられるかなとその場から逃げ出した。
途中でアンナは気がついたみたいだけど多くのゾンビたちが行く手を阻む事となり逃げ出せたのである。
全くも苦労させられたゾンビに助けられるとは複雑な気持ちだなと感じながらその場を後にした。
別に命が惜しくて逃げているのではなくただ死んだ後にゾンビにされない為に行動をしていた。
無理かなと思っていたが普通に死ねるなら普通に死にたいので俺は隠していたダイナマイトを体に装備させたのである。
まあ、遺体がなくなればゾンビになる心配はないからな。
それにしても爆発死かぁ・・・悪党らしい最期じゃないか。まさしく俺の最期に相応しい死に方だなと思っていた時にダイナマイトと一緒に俺が好きなセブンスター、煙草が入っていたのである。
過去の俺よ、気が利くじゃないかと思いながら煙草を手に取り最期が来る前に一服していた。全てやり終えた後の煙草の一服は信じられない程に良いなと感じていた。
ゾンビ共がこちらに来ているのは気配で分かる上に逃げ場なく迫って来ていた。全くもゾンビらしく知性内ない方法で来てもらえたら生き延びる事ができたかも知れないのにと考えていると遂に姿を見せてきたのである。
相変わらずに見た目が良くないよなと思いながらも俺は残り僅かに残っていた魔力でダイナマイトに火をつけた。
せっかくだから多くのゾンビを巻き込んで死んでやろうと思いでつけて死ぬ事が理解したのか走馬灯が流れ始めた。
不幸になっていたところに大将と出会いそして大将の最期を見届けて未来に帰ってきて裏方で色んなことをしてそして最後は未来を繋ぐことをした。
悪党としては上出来な人生だったなと笑っているとダイナマイトが爆発してそして多くの爆弾物と共に辺り一帯を吹き飛ばすほどの威力で爆発するのだった。
後は未来を作る若者たちをあの世から高みの見物でもさせてもらいますか・・・・・・。
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