第29話、別れ

そう言って俺はとある刀を雅也に差し上げた。それは前から雅也がほしいと言っていた刀でそれを見るとなんでこんな時に渡してくるのですかと泣いて聞いてきた。



「これからお前はその子を守るという大切な任務があるのだ。これはその任務の頭金だと思って受け取れ。良いか、雅也。これからはお前がこの子の盾になるのだ。どんな敵が来ようともどんなに数が多くてもその子に降り注ぐ災いを全て受け止める盾となれ!!分かった!分かったら返事をしろ雅也!!!」



雅也は泣きながらはい!と答えた。それを確認してから俺は最後にそれをやり遂げたらお前も幸せになるように頑張れよと伝えるのだった。



そして雅也はそれでは出発する支度をしますと言ってこの場から立ち去った。終えるとアクトは少しばかり強く言いすぎじゃないかと言ってきたが最後だからこそあそこまで強く言ったのですと返答をした。



それとアクトには戦の支度はこちらでやるから最後の最後まで大切な家族との時間を過ごしてくださいと伝えてから戦の支度をしようとするとお前は良いのか最後の時を戦などの支度でと言われたのでこう返した。



「別に良いのですよ、俺は今まで好き勝手に生きてきましたから最後ぐらいはしっかりとやりますから安心して貴方は妻と赤ん坊との時間を過ごしてくださいよ」



それだけを伝えてから俺は最後の戦の支度を始めた、恐らく初代フェニックス様が俺が死ぬと言われている戦いがここなのであろうな。



まあ、これまでは沢山好きなことをしてきたことだし最期ぐらい英雄フェニックスの部下としてしっかりとしないとな。



そう思いながら俺は最後の戦に向けて支度をしながら戦場となるであろう場所に多くの罠を設置していた。



地雷とか多くの兵器たちが使われずに地球が終わってしまったからなら遠慮なく使わせてもらおうと持ってきていた。



何も対策する前にやられてしまった多くの者達の無念を少しでも晴らしてやると持ってきて備えていた。



本当はあんまり使わないほうが良い兵器・・・核兵器も持ってきていた。念の為にと持ってきていたが使うことになるとは思いながら設置していた。



流石にいくら負けるのが前提として動いているからと言っても人道的にどうなのだと言われる事だろうからこんな汚いやり方は俺か独断でやりましたとあの世で言う為に一人で設置していた。



それにしても巨大な威力が起きるから仕方がないかもしれないけど重い上に大きいから設置をするだけでも苦労をしていた。



何せ一ヶ月後にはあの化け物の大軍がここに攻め寄せてくるからな、用意は多いほうが良いだろうと思いながら支度をしていた。



その間、アクトの家族たちはゆっくりと平和に過ごしていた。他の家臣たちも俺と同じようにせめて最後ぐらいはと思っているだろうなと感じ取れていた。



雅也も必死に下準備をしていた、戦場で戦えないから必死に頑張っているのを確認できた。



悔しいだろうなと思いながらも俺もやるべきことが多いので話し掛けずに支度をするのだった。



それから20日後、遂にアクトの赤ん坊を逃がす日が来てしまった。アクトの妻は泣きながら赤ん坊を雅也に託してどうかお願いしますと伝えた。



雅也も分かりました、僕が命を落とすことがあっても必ず守り抜きますと言ってから国から旅立って行った。



途中までは俺が護衛して安全な場所まで辿り着いてから俺は念の為にと実は蝮が考えていた計画にとあるやつがあったのだ。



それは滅亡寸前になった時にの為に密かに用意をしていたやつがあるのだ。俺はそれを雅也に託した。



それは不安定世界が実は一つあるのだけどその世界をしっかりと秩序を作りそして他の世界で二次元として作品として流行らせてその作品のキャラとして登場するキャラだとして追手から騙す方法を考えていたのだ。



蝮の事なので内容もしっかりとしており違和感はなかった。確かにそれならばあの女も騙せるなと考えたのである。



それにしても蝮のやつはここまで用意をしているとは本当に凄いやつだなと改めてそう感じていた。



ならば先輩として後輩がここまで頑張っているのだから頑張らないと格好がつかないだろ。



余計に頑張らないといけなくなったなと思いながらしているときさらぎ駅の近くの駅に着いて、ここからはもう一人で行ける範囲になったので俺は雅也に対してこれから頑張れよとそれだけを言ってからその場から立ち去るのだった。



・・・・・・・・・・




僕の名前は吉田雅也、何処にでもいる普通の人間だと思っている。今、僕は命の恩人である蝮さんの守りたいフェニックスの一族の唯一の赤ん坊を守ってきさらぎ駅経由の電車を乗っていた。



僕ではあまりにも若いからと言う理由で戦いに参加せずに若様を抱いて逃げていた。



どうやら僕が元々いた世界は珍しく誰にも知られていないらしいから安全だと言うことでそこに連れて行くように言われた。



僕は抱いて寝ている若様を見て決意を言うのだった。



「若様、僕が絶対にお守り致しますので安心して下さい・・・そして若様の両親を救うことができずに申し訳ありませんでした」



そう言うと静かに泣きながら必ず若様だけでもお守り致しますと言うのであった。




・・・・・・・・・




さてと未来を繋ぐことは出来たから後は後先も考えずに戦い抜くまでかなと俺はそう思いながら雅也たちを見送り、俺は待ち受けている決戦に向かい始めるのだった。

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