第28話、未来に繋ぐために
俺は外で何が起きていたのか全てアクトに報告するとそんな他の世界が壊滅だとと言って驚いていた。
すると他の者たちが神々は魔王たちはどうなっていると聞いてきたので俺は知っている範囲の魔王や神々たちもゾンビになってしまったと報告した。
ついでに鬼とか天狗なども者たちも完全に全滅している事はここに来る前に確認していた。
そして他の異世界たちもゾンビしかいない世界ばかりになっておりむしろこうして未だに平和になっているのがこの世界ぐらいしかないという非常事態になっていた。
それだけに本当に全ての危機だと言える状況だった、これだけの規模はあのギリワン・ボルケーノすら超えてかつて初代フェニックス様と対峙していた邪神アーリマン以来と言えるだろう。
それに対してこちらの戦力は間違いなく十分の1しかなく勝てる見込みなど殆どない、けれどもそうなれば間違いなくこの世界はもちろんの事すべての世界があのアンナの物になってしまうのは言うまでもない。
その為にそんなアンナに対抗する存在、すなわちアクトの赤ん坊をここから逃がす必要があるのだ。
それもあのアンナが影響を及ぼすこともない世界にと伝えるとアクトは俺に対して言ってくるのだった。
「けれどもお前はどの世界も駄目だったと言ったばかりではないか!」
「人の話は最後まで聞いてから答えろ、いいか確かに俺が見てきた世界は駄目でこの周辺の世界も駄目であるが・・・ある場所は無事なのだよ、アクト」
それを聞いたアクトはその場所はと聞いてきたので答えた。
「アクトはきさらぎ駅で修行などしていたから分かるかもしれないがあの場所は世界と世界の狭間の空間で未だに全ては解明されていない場所でもある・・・実は昔に俺と蝮で本当に小さな世界樹を発見した事があるのだ。しかもそれは初代フェニックス様に報告しなかった場所だ」
それを聞くとそんな場所があるのですかと聞いてきたので俺はお前の大切な先生から聞いていなかったのか秘密の特訓場とか言わなかったかと聞くとアクトは確かに先生はそんなことを言っていたことがあると思い出していた。
俺はそこならあのアンナも追撃は出来ないからそこに赤ん坊を逃がそうと提案をしたのでと伝えた。
それを聞くとアクトの家臣の一人がそれならば大将と奥方様も逃すことができるのではないかと言ってきたがすぐに反論をした。
「良いか!あの女はアクトが目的なのだ!ここで捕まえられなかったら一生を掛けても探し出すぞ。そうなれば全くも知られていない場所を発見させる可能性がある。それうなればあの世界の戦力をすべて合わせても足りないどころではない。そしてあの女が恨んでいるアクトの妻も同じだ、逃がすことは不可能だ。けれどもその大切に抱いている赤ん坊は逃がすことができるのだ、何故ならばあの女とその赤ん坊は出会ったことがないから」
そう必死に伝えた、それを聞いていたアクトの妻は泣きながらこの子は助かるのですかと聞いてきたので俺ははいと答えるのみであった。
しかし、聞いたアクトの妻は分かりましたと返答をした。するとアクトが本当に良いのか、大切な子供で毎日のように可愛がっていたのにと驚きながら言うと泣くことは止められないままそれでもこの子の未来を奪いたくないのですと答えた。
それを聞いたアクトは何も言わずに黙り込んだ、俺も何も言いたくないけど言わなければならないとして話を続けた。
「それでこの赤ん坊をその場所まで守る護衛が一人は必要です。しかし、先程も話した通りにあの女と面識がある者では駄目です。無論、それは俺も含まれます。しかし、その場所の行き方は俺しか知らない・・・そこで俺の記憶の一部を抜き取って他人に移植をさせます。そうすれば無事に向かうことができるでしょう・・・最もそんな事をしなくても良い人物が一人だけいますけどその場所の出身者がいますから」
それを聞いたアクトはその適任者、出身者は誰だと聞いてきたので答えた。その者はアクトが一番尊敬して信用している蝮の遺志を継ぐものとしてまた俺の教え子の一人として育てていた雅也が適任ですと答えた。
雅也はまだ10歳の少年であるが7歳の頃に蝮に助けられて一年間ほどは蝮の元でそしてその後は俺の元で修行してアクトに合流してからはアクトに付き従っている少年兵を推挙した。
あの子ならきっと蝮の様に守ってくれるはずですと伝えた。アクトも雅也は一生懸命に頑張っているので評価はしているがそれでもまだ幼すぎるとして躊躇っていたが俺は伝えた。
「アクト・・・あの少年はあの幼い頃の蝮に似ているからきっとその赤ん坊を守ってくれると思いますよ。それにその子もあのアンナと言う女に出会っていないので大丈夫ですよ」
そう伝えるとアクトは分かったと言って雅也をここに来るように呼び寄せた。しばらくしていると一人の少年が慌てながら慌てて現れたのである。
そう、この少年こそ雅也でありそして俺の教え子でもあった。そして何も知らない雅也は元気そうに何でしょうかフェニックス様と答えていた。
まだ幼いだけに周りの状況が理解はしておらずアクトが真剣な顔で話を始めた。それを見て初めて雅也も真剣な事だなと理解をして聞き始めた。
「雅也!お前に大切な任務を与える。我が子を連れて元の世界に帰還せよ。良いか、もうこの場所に戻ってくることはないように・・・時間はあんまり残されていない支度を始めろ」
「!?フェニックス様、僕が何か落ち度をしましたか。何かしていましたら謝りますからどうか許して下さい」
「いいや、これは未来を託すと言っているのだ。もう時期にここは信じられないぐらいの敵に攻め込まれる我が子を危険に晒したくない。そこで安全な地に避難させたいのだ。その地は雅也の出身の世界樹でありその場所まで連れて行って面倒を見てくれないか」
すると雅也はフェニックス様、僕もフェニックス様と一緒に戦いますと訴えかけていたがここで俺が雅也に言うのだった。
「雅也、この場所がお前の死に場所ではない。どうしても討ち死にしたいのであれば後にその赤ん坊が命の危機に落ちいた時にその命を捨てる覚悟で戦え良いな!雅也!!」
そう強く叫ぶと雅也は泣きそうになりながらも分かりましたと答えた。そうして俺は泣きそうになっている雅也に対して最後の餞別だとしてとある物を雅也に上げるために異空間倉庫からとある刀を取り出すのだった。
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