第27話、駆け引き

そう言うとアンナはそれは嫌です、どうかそうならない為にも貴方様の力が必要なのですと訴えかけていた。



ここまで必死になるということは・・・やはりそうかと感じていた。



彼女もそうだし後ろの二人は未来で望まない未来が訪れたからどうにかして未来を変えようとしていることがなんとなく分かった。



と言うよりあの宇喜多の野郎が口を滑らせていたからな、一度は恐らく俺を殺したけど失敗したから今度は仲間に加えようと必死になっているのだな。



そう分かってしまうと全力でこいつ等が一番望まない未来にさせたいー!!滅茶苦茶に苦しみを味わうような未来にさせたい。



何が一番望まない未来になるのかなと必死になって考えていた時に俺なりに思いついたのがアクトが死んだ上にアクトとこのアンナ以外に付き合っていた子供が立派になる世界なんてどうかな。



この目の前にいるアンナにとって見れば一番訪れたくない未来になるだろうな。そうして俺はアンナたちに過去に戻れる力を無力化させてこの残酷な未来で過ごしてもらおう。



どんな顔になるのか今から考えるだけでも楽しみになってきた、そうなるとアクト、三代目フェニックスの子供を安全に育つ場所の確保が必要になってくるけど実はこれをするにはある適した場所が存在するのだ。



それは昔に蝮と一緒に世界と世界の狭間に存在している空間、この世界ではきさらぎ駅と呼ばれている場所にあるものを見つけたのである。



それは本当に小規模な世界樹を発見したのであった。



世界樹とはいろんな世界を作るそして支えるために絶対に必要なものでそれが創り出した世界を発見した。



これをあの大将にも報告せずに蝮と二人だけの内緒にしていた。それは二人だけの特別な訓練所みたいにして強くなって驚かせようという事で黙っていたのだ。



実際にその場所でいろんな戦いを経験して強くなったから非常に使えていた。本当に古代中国で項羽と対決した時は本当に人間!?と疑いたくなるほどに強かったけどいい経験になった。



まさか、こんな形で使うことになるとは思いもしなかったけど。



これならばある方法を使用すれば誰も追撃など出来ないから確実にアクトの子供たちは助かるなと感じていた。



子供以外になるとある方法が使用できないので助けられないが・・・でも大将の血が残るならそれでも構わないが。



唯一無二の欠点を上げるとすれば・・・・この方法をしたら間違いなく俺は死ぬと言うことだけだな。



それでも・・・俺は過去を思い出していた。それは三代目フェニックスの弱点を調べようとした時にたまたまに偶然にアクトの妻が外に出ていた時に小さな赤ん坊を抱えていたがあれ程に可愛らしい命と俺を天秤にかけた。



まあ、一瞬で赤ん坊が勝利したが・・・そうなると目の前のこいつ等を騙す必要があるな、ここは警戒されない為にも前向きに話を合わせようと考えた。



「そうだな、気持ちは理解したがどうにも後にも・・・けれどもまずは三代目フェニックスと交渉はしたいと考えている。その代わりに三代目フェニックスを怒らせない為にも行動を停止してほしい、刺激などして交渉が決裂したくはないだろ」



それではこちら側に付いてくれるのですかと聞かれたのである程度の条件を飲んでくれましたらと言ってからその条件を伝えた。



一つ、護衛など付けずに単独で向かう事、相手に余計な警戒心を与えたくないから


二つ、三代目フェニックスを説得するのに時間が必要なので一ヶ月間ほどの時間がほしい


三つ、もし交渉に成功したら世界を元通りにしてある程度の権限を授けること



3つの条件を伝えるとアンナは分かりました、ここまで協力してくれるのでしたら信じて私達は待ちますと返答をしてくれた。



上手く騙せたかなと思っていると後ろの二人が信用できるのですかと聞いてきたので俺はフェニックス軍は嘘をつかない、古事記にも書いてあったでしょうと伝えた。


※勿論嘘です!



すると確かに伝説になるほどの者達が嘘をつくとは思えないなと他の二人も簡単に騙すことに成功した。



少しばかりは疑ったほうが良いと思うけどこれは俺が助かることなので気にせずに次の行動に移り始めるのだった。



恐らくは他の者たちはみんなゾンビにされてしまっている可能性が高く探せば健くんたちが見つかるかもしれないがそんな事をしている時間はないとしてすぐに元の世界から三代目フェニックスがいる世界に転移をしたのだった。



残された時間はもう少ないなら最後は英雄フェニックス様の子孫を守るためにこの命を燃やし尽くそう、そうでもしないと恩人でもある王平将軍に何と言われるかわからないからな。



そんな事を考えながら俺は遂に国境に辿り着いて国を守るための城に向かって声を出して伝えるのだった。



「俺は川内雅志!初代英雄フェニックス様の部下をしていた者だ。三代目フェニックス様に一大事が迫って来ていることを伝えたくて参上した、開門をお願いする!」



そう伝えると警備兵たちは俺の様子を見て更に武器を持ってきていなかったとして分かったと許可をもらい開門をしてくれた。



そして三代目フェニックス様は何処にと尋ねると警備兵たちは居場所を教えてくれて俺は全速力でその場所に向かった。



そうして向かった先では妻と幼い赤ん坊と共にゆっくりとしている姿が見られて俺は速さを落としながらその場所についた。



アクトは最初は敵対心を出していたが俺の表情を読み取ったのかすぐに顔を変えて何かあったのかと尋ねてきたので俺は息を荒くなってきたが答えた。



「一大事で御座います!かつてないほどに勢力を広げているアンナと言う悪魔族のサキュパスがこの国に侵攻をしようとしております。数は数百億以上と見られ多くはゾンビとかになると予想されるますが多くの能力者たちも既に亡くなりゾンビになっております!この国だけではとても防ぎれないと感じて参りました」



それを聞いたアクトはアンナの野郎がと驚きながらも俺に詳しい話をしろと言われたので説明をするのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る