第26話、黒幕の登場
それからどれぐらい休んだのであろうか俺は元気になり外に帰るための支度を終えてから地上に向かい始めた。
その時に結界がどうなったのか気になったので通常ルートから向かい始めたがここである疑問が起きたのである。
この真鶴ダンジョンってこんなに不死系魔物が多かったかな?ゾンビとかスケルトンとか多く現れてそれ以外の魔物の姿が殆ど見られなかった。
何か起きているなと考えながら俺は地上に出たのである。結界も消えて元通りと言いたかったけど外の雰囲気がおかしくなっていた。
大丈夫なのかと心配になりながら俺は真鶴の町に向かい歩き始めたがここまで歩いて何もないのはおかしいと感じていた。
普通なら真鶴ダンジョンに向かってくる冒険者の一人は二人ぐらいはすれ違ってもおかしくないのに誰もすれ違わない、もしかしてあの地震で緊急事態宣言でも出されて避難でもしているのかもしれないと考えた。
それから間もなく真鶴の町に戻るとそこには血だらけで倒れている男性がいて俺はすぐに大丈夫ですか!と伝えてから救急車を呼び治療魔法で対応しようとしていたらゆっくりと立ち上がり俺は嫌な予感がしてすぐに後退するとその男性は既に人間ではなくゾンビに変わり果てていた。
俺はそんなフロアーナには契約をしたはずなのにと思っていると近くに隠れていたのかゾンビたちが次から次へと現れてきて俺を喰い殺そうと近づいて来た。
やはり嫌な予感は的中してしまったかと思いながらも何処まで被害は拡大しているのか分からないのでまずは転移魔法で地元の川崎に帰ることにした。
バレたら困るとかそんなことを行っている場合ではないとしてすぐに地元の川崎の状態を確認するとそこにはまるでゾンビの街に成り果てた姿がそこにはあった。
嘘だろ、これほどに大きな街が全滅している。俺はすぐに探知魔法で生存者たちを探していたが一向に反応がなく左右を見えもゾンビしかいないのだ。
流石に全ての人がゾンビになったわけではないことを信じたいがこの数では・・・いや、鯱や鷹がいるのだ。
全滅はしてはいないだろうがそれでもかなりの数がやられてしまったのかと探索をしながら考えていると急に背後からどうですか、自分が考えた策はと人の言葉が聞こえてその先には宇喜多がいたのでお前の仕業かと怒りながら言った。
「怖いですな、そんなに怖いと話も出来なくなりますよ。まずは落ち着いてくださいよ、少なくても自分はあなたを殺害するつもりはありませんから」
そう言っていたが明らかにこの人物がこの悲惨な惨状を引き起こした犯人とは関わりはある事は嫌でも理解できたので警戒しながら俺はお前たちの目的は何だと言った。
「そうですな、少なくても自分は伸び伸びとした日常がほしいだけですかね。なので邪魔な存在を消したまでですよ」
「お前が言う邪魔な存在はこの世界かな、そうなるとかなり規模が大きいな。英雄フェニックスの部下として見逃せないな」
「そうですか・・・しかし、味方がいない状況ではいくら貴方でも大変じゃないですか。それにそろそろ貴方が望んでいる答えがやってきますよ。誰が黒幕なのか何が目的なのか、知ることができると思いますよ・・・最も生きて帰れるかは保証は致しませんけどね」
不気味に笑いながら答えてきた、なるほど黒幕が姿を現してくれるのかそれはとても好機だと言えるし逆に危険とも言えた。
黒幕が自ら現れるということはそれはかなりの勝算があって現れることになる。これが俺の事を知らないのであれば大したことではないが向こうは俺の事、英雄フェニックスの部下だと言うことを知っている上で行動をしているのだ。
つまりこちらの戦力をわかっている上で来るというのは勝算が高く勝てると思っているのだろう。
一方、俺は敵の戦力を未だに知らないのである。今すぐに勝てる方法はないが敵の戦力を知る必要があるのだ。
その為には多少の危険は承知で待つしかない、そして敵の戦力を分析など終えたら退却をして立て直す。
これが今の俺に取れる一番の良い方法であろう。悔しいけど俺が一人で勝てる可能性は低いと考えている。
本当ならば英雄フェニックスの部下として逃げる事は恥であるが・・・恥を感じて死ぬより生きて汚名を注ぐ!!
その為にも今は少しでも多くの情報を集めて体制を立て直す。さて、相手はどんな怪物が現れるのか。
かかってこいと思いながら待ち構えているとそこに現れたのはフロアーナと見た事もないほどの絶世の美女でありながらも底しれない何かを秘めていると感じて警戒を解かずに構えていた。
すると絶世の美女がこちらを笑みを浮かべながら話しかけてきたのである。
「貴方様が英雄フェニックスの部下として名前が残っている鷲様でお間違いないですか」
「・・・気味悪いな、普通に上から目線の言葉や俺など馬鹿にしているなら対応できるのにこうも下手で来るとは・・・まあ、その通りだけどこの通りに今はかなり気分が宜しくないのだ。どこかの誰かのお陰でね・・・フロアーナ!お前、よくも俺を騙したな」
「別に私は鷲さんを騙していませんよ、私は手を出しませんとしっかりと約束をしました・・・私以外なら別に約束ではないので仕方がないことになりますけどね」
「!!貴様、最初から約束など守るつもりなどなかったのだな!!この嘘つきめ!!」
「だから鷲さんにも話したじゃないですか。嘘をつく時には本当の事を半分以上を混ぜて話したら信用されるって・・・私は教えたのにそれを見破れなかったのは貴方ですよ、鷲さん」
くそ!その通りだけどまさか、こんな者たちに騙されるとは思いもしなかった。それが悔しくて堪らない、俺がもう少しばかりでも用心深くしていればこんな事にはならなかったかもしれないのにと思うと余計に。
そんな事を考えていると絶世の美女が俺に対して話しかけてきた。
「それでご立腹しているかも知れませんがどうか話を聞いてくれませんか。とても大切な話を持ってきておりますので」
「話だ?本当に俺のことを馬鹿にしているのか!いい加減に騙されたりはしないぞ。見た目が爺かもしれないからと言って舐めるなよ」
するとフロアーナと宇喜多が私達は二人とも悪党かもしれないけどこのアンナ様は滅茶苦茶に聖女みたいに優しいだからなと怒っていた。
腹黒い二人にそう言われても信用出来るかと言うとアンナと呼ばれている絶世の美女が俺の近くに歩き出してきた。
他の二人も後に続こうとしたら来ないで下さいと言って一人で無防備で来た。
なるほど口だけではない事は理解したがどれだけの覚悟があるのかなと思いながら俺はアンナの首元の近くまで刃を勢いよく近づかせた。
それでもアンナは怯むこともなく俺を見つめていたのでここまで覚悟があるなら仕方がない話ぐらいはしてやるかと思いながら話を始めるのだった。
まあ、結果的に折れに何をしてほしいのかと言い回しは良いかと言うとアンナと言う女性はどうか私達が作る新たな秩序を守る将軍として貴方様を登用したいのですと答えが返ってきた。
はぁ!?と俺は驚いてふざけているのかと思っていたが彼女は真っ直ぐな瞳でこちらを見て真剣な考えだと理解してどうして俺なのかと尋ねた。
「はい、貴方様は私が心から愛しているアクトが尊敬している蝮様の先輩であり経験も豊富で貴方様ほどの人が味方になってくれましたら私は嬉しい限りです。どうか、お願いを聞いてくれますか。無論、良い条件をつけますのでどうか考えてもらえないでしょうか」
なるほど蝮の事を知っていてアクトの事が好きなやつはそう言えばアクトから聞いたことがあった。
かつて出発地点となった世界でギリワン・ボルケーノに寝取られた彼女がいたと言っていた。
その彼女は悪魔族、サキュパスだったかな銀髪の髪をしているお嬢様と聞いていたな・・・本当に特徴が目の前の女性に一致しているなと感じていた。
なるほどやり直しをしたいのかなと考えていた、蝮からの話だとギリワン・ボルケーノは寝取りをする為に洗脳魔法や魅了魔法など習得して長けていたと聞いていたから彼女もそれにやられてしまっていたのだろうな。
だからこそギリワン・ボルケーノが倒されてそれが解けてしまって後悔をしているから何とかしてまたアクトと一緒にいたいのかと思っていたがならどうしてこんな事をしているのかなと尋ねた。
「はい、これほどまでの行為は私は承諾はしておりません。二人には必ずこの様になってしまった世界の復興をするように言っておきます。けれども二人はこの状態で私が魔法などでフロアーナに対して持っているウィルスを支配した上で進化をさせたら感染者たちを女神の様に崇拝する様になると言われているのですが私は極力、この方法はやりたくないと考えております」
それをやってしまえばあの嫌いなギリワン・ボルケーノと同じになってしまうからだと言っているが二人は世界を支配するにはこれが一番なのですよと背後から言ってきてアンナがですがそれは本当に平和と呼べますかと言うと宇喜多は答えた。
「アンナ様、良いですか。世界はアンナ様が考えているような者達は少ないのです。いくら善意を持って接しても悪意などでアンナ様は不幸になります。ならばいっその事、支配をして管轄化しましょう。アンナ様が善政をすれば誰も文句は言う者はおりません!!」
「そうですよ!アンナ様は貧しい人々を救って来ているのではありませんか。これは多くの人たちを救うために必要な事なのです。勿論、私達の独断として押し付けてください。アンナ様は聖女として周りから崇拝されるなら私達は悪として化け物として言われても構いませんから」
聞いていて分かるが少なくてもこの二人はアンナという女性を崇拝しておりその為ならどんな汚れ事もやるだろうな、確かに世界は平和になるだろうがそれでは何も得られないだろうな・・・アクトの心は。
アンナと言う女性はアクトと一緒に人ゼィを歩みたいだけであろうが・・・これを知ったら余計にアクトの怒りを買うだけだと思うがな。
それはそうとアクトに対しては何もしていないよなと聞くとアンナは勿論ですと答えるがアクトを寝取りをした女性たちには少しばかりはしたと言った。
恐らく少しばかりではないなと感じていた、殺したりなどしているなと言うとアンナは無言になった。
無言はつまりは肯定している事になるのでやはりかと思いながら俺はアンナに対した伝えるのだった。
「アンナ、悪い事は言わないからアクト・・・いや、三代目フェニックスは諦めたほうが良い。もうアクトはお前に対して心を開く事はないだろうから」
俺はそうアンナに対して堂々と伝えるのだった。
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