第25話、脱出
そうして俺たちは真鶴ダンジョンの最深部まで辿り着いていた、前に死層クラスは危ないとして完全に隠しておいたのが幸運にも俺たちに時間を与えてくれて考えていた。
時間が増えたとはいえこのままでは酸素不足または一酸化炭素中毒によって死ぬことには変わりはないのでみんなで考えて意見を出し合っていた。
「とにかく今は植物でも魔法などで生やして日光代わりに光を与えたら光合成して酸素を作り出してくれるのじゃないか」
「確かに酸素は作り出してくれるかもしれないがそれでは作る量と使う量で使う量の方が大きいからそれは無理だ」
「ならダンジョンの壁を壊して外に繋がるようにすれば何とかなりそうな気がすると思うけど」
「無理だ!確かに時間さえあればその方法でも構わないが明らかに時間が足りなさすぎる。ダンジョンから脱出する前に酸素不足で死ぬわ」
「なら良い方法を考えてください、鯱さんや鷹さんは英雄フェニックスの部下だったですよね!?この状況を打開する方法を考えてください」
「あのな!いくら伝説の英雄フェニックスの部下でもこんな状況に送られても上の人たちがなんとかしていたから切り抜けただけで下の者たちはそんな方法は知るわけ無いだろ」
健くんたちと鷹、鯱で言い争いをしていた。俺がこんなことをしている場合ではないだろうと言って俺は状況を整理してから話した。
「まずは最初の案、確かに全てが解決するわけではないだろうけど延命処置程度にはなるだろう。それで時間を稼いでくれ俺はその間にも外に繋がる通路を作り出すから皆は植物を生やして日光に近いものを編み出して光合成して時間を稼いでくれ」
するとそれしか方法はないのかと鯱が言ってきたので何か他に良い案があるならそれにするが鯱にはそれがあるのかと尋ねると黙り込んで俺の考えて行動を開始する事にした。
言い出した俺が一番大変な事をするのは当然として脱出する退路を作ることにした。すると健くんたちが本当に一人で作るのですかと聞かれたので俺は当然だと言ってからそれまで健くんたちも頑張れと言ってからダンジョンの壁を破壊して掘り始めたのである。
しかし、ダンジョンの奥深くであり距離もある上に非常に固く物凄いエネルギーを消費をして必死に進んでいた。
今の俺たちに休んでいる暇はないとして歳を重ね始めている体に鞭を入れるように必死に動かしていた。
今の俺には他の者たちの命が関わっているのだ、そう簡単に諦めたらあの世に向かった時に大将に会わせる顔がない。
俺は確かに他の英雄フェニックスの部下たちより性格が悪いのは知っている。俺自身でもそう感じているがそれでも子どもたちが困っている時ぐらいは大人として英雄フェニックスの部下として助けるのは当たり前だろと自分自身に言い聞かせて掘り続けた。
それでも次第に力も入らなくなりその上に息苦しくなってきて体は限界に迎えつつあった。
こんな事になるのであればパチンコなどで遊んでいる時間を筋トレでもして体力を作っておけば良かったと後悔なども思いながらも必死に動かしていたその時に何かが大きく揺れて地震かと感じていると掘ってきていた通路が崩れ落ちてきたのである。
普段であれば脱出が出来るはずが体力を多く消費した事に更に空気もかなり薄くなっていたせいで俺は生き埋め状態にされてしまったのだ。
くそ、このままでは俺が先に死んでしまうと思いながらも意識が遠くなり俺はそのまま心肺停止になり生命活動を停止したのだ・・・・・・・。
それからどれぐらいの時間が経過しただろうか俺は復活を果たした。どうして急にと考えていると俺はとある物が消えている事に気がついた。
それは大将から貰い受けたお守りが消えていて体が完璧に回復をしておりこれはこのお守りはフェニックスの羽としての役割もあったのかと気がついてから大将に感謝をして完全に回復した体で一気に地上まで掘り続けた。
今ならフェニックスの羽と同じなからバフが掛かっているのでいつもよりも元気に動けていた。
若い頃に戻ったように元気になり一気に地上まで掘り終えた。良し!これで後は健くんたちをここまで誘導できれば解決だとして俺は来た道を戻り始めたのである。
そうして戻ってくるとそこには誰もおらずに何処に向かってしまったのかその場で声を上げて叫んだ。
「健くんー!美恵ちゃんー!鈴谷ちゃんー!ジョージアー!フロアーナ!鷹!鯱!誰でも良いから返事をしてくれ、退路を確保に成功したからここから脱出しよう」
そう伝えても返事は返ってこずにシーンとしていた。最初から誰もいないみたいに静かになっていた。
こうなると何かあったのかと感じていたがもしかして先程の地震で結界に何かしらのことが起きて崩壊したからそのスキに脱出をしたのかもしれない。
そう考えるのが当然か、それにこの場に遺体がないのは生きている証拠にもなるからな。取り敢えずは一安心をしたが俺もすぐに脱出と言いたいが疲れも溜まっていたこともある上に何か未だに嫌な予感が消えないのだ。
既にここ最近の中ではダントツに不幸だと思っているのにパチンコで大当たり濃厚を外したり競馬で圧倒的に人気馬に単勝かけて外したりとそれよりも不幸が起きたのにも関わらずに未だに不安が消えないのだ。
もしかしたら未だにまだ何かあるのかも知らないと感じて俺はその日はおとなしくその場で休みながら明日の支度を始めていた。
この先に何が起きても良いように念には念を入れ支度をして英気を養っていた。そうしながらも俺は他のみんなが無事にいるように願っていた。
でも鯱や鷹がいるから何とかなるだろう、それよりもこの違和感を早く見つけたいのだけど分からないな。
でもここまで嫌な予感が続くと大将が言っていた俺の未来の予言が当たりそうで怖かった。
大将の見えた未来では俺が四十代時に運命の時が訪れてそして未来の礎となり・・・・・死ぬと予言されている。
まあ、これが大将以外なら笑って何も気にしないけど大将の予言は未だに外れたことがないのだ。
それだけに怯えていたのに今、まさにその状況になってしまうかもしれないと思うと恐ろしい。
でもその状況と言うのはこの世界が滅亡してしまう事だからそんな状況にはならないから日本だけならまだ分かるけど世界すべてが終わるってそんな状況になったら俺も下手にすれば死ぬ事になるから。
だからこそそんな予言は当たらない・・・・と思いたい。いい加減に大将の予言が外れてくれることを祈っている。
そんな事を考えながら俺はダンジョンの中で眠りにつくのだった。
そして運命の時は刻一刻と迫って来ているのだった。
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