第20話、決断

彼女から信じられない提案を受けてそれを受け入れろと言うのかと言うと受け入れる方がかなり楽だと思うけどと言ってきた。



どうして俺を勧誘しようとしているのかと尋ねると意外な答えが返ってきた。



「簡単な理由だよ、あなたは・・・その気になれば権力者でも平気な顔で手にかける事ができるその意気込みを私は高く評価している。だからこそ貴方のことが私がほしいの、私の理想を叶える為に」



いつ、俺が政治家たちに対してそんな事をしていたのか知っているのだと驚きながら見ているとフロアーナは少しでも信用してくれる為にもフロアーナの過去を少し語りましょうと語り始めた。



フロアーナ、吸血鬼になる前は普通の人間だっただと言うのだ。幼少期などは特に普通の人と変わりなく暮らしていたらしいが高校生辺りで政治家たちと言う権力者たちの悪質の影響を受け始めたと言うのだ。



そうして家族や友達など多くの者たちが不幸になり中には自殺する人もいたと言うのだ。



そして当時のフロアーナは銀行に残しているお金は貧しい人達に分け与えて下さいと遺言書に書いてからトラックで国会議事堂に突っ込んで持ってきていた拳銃や日本刀で政治家たちを生きている限り殺し続けて最後は元凶の政治家を刀を投げて体に突き刺して道連れにして死んだというのだ。



その後に邪神によって蘇ってそれから色々とあり今に至ると言うのだ。だからこそ真っ当な人たちが恩恵を受け入れ不正に働くものを罰する世界を作りたいと言うのだ。



その瞳には覚悟が宿っており命を懸けても良いと見えていた。それだけ自分の理想を叶えたいのであろう。



それの為には俺たちの力が必要と言うことか・・・それで具体的にそちらの味方になった暁には何をしてくれるのかなと尋ねるとすぐに返答をしてくれた。



「それはこの世界の攻撃並びに他の世界の攻撃を中断して新しく仲間になる予定の人たちと新しく作戦を考えてより良い道を探します。少なくても一時的とはいえ地獄のような光景を見ることはなくなります」



なるほどな、少なくてもこちらに対して利益もあるし向こうも大きく戦力が増すのでそう焦ることも無くなると言う訳か・・・もし、世界征服を終えて理想の世界を作り出したらお前は何をしたいのだと本質を聞いて見ることにした。



すると返ってきたのは俺が全くも予想していなかったことであった。



「そうですね、全てが終わったら私は好きな世界でスローライフをしたいですね。大自然に囲まわれ、ゆっくりと日向ごっこでもして残りの余生を満喫をしたいです。おかしいでしょうか?世界征服をして最後にはスローライフをしたいと言うのは」



俺はその話を聞いて思わずに笑ってしまった。



全ての世界を支配して最後にやりたい事はスローライフって、本当に面白いやつでありあのお方・・・大将以来だなそんな面白い事を言うのは言うとそのお方とはもしかしたら仲良くできるかとしれませんねと答えた。



「けれどもその人はもうこの世にいないがいないが・・・条件次第では協力をしてもいいぞ。お前のその覚悟や理想そしてその後にやりたい事に共感したから要求次第だが協力を考えるぞ」



俺の考えを伝えるとフロアーナはとても嬉しそうにして本当ですかと聞いてきたので俺は条件次第ではと言ったがそれでも向こうは嬉しそうにして話に応じ始めた。



それでまず、俺が出した要求はこの世界の人々の感染者たちを治すことを出したら貴方みたいな英雄が味方になってくれるのでしたら安い要求ですと言って感染者たちを元に戻すことを約束させた。



それから他にもあまりにも大きな犠牲を出す方法は一度、俺などに相談すること。独断でそんな事をやったら離脱をするなど条件を伝えた。



それでもフロアーナは仲間になってくれるのでしたら安い代償ですと言ってこれも受け入れたので俺はそれではまずは約束通りに感染者たちを元にお願いしますと言うと分かりましたお言って行動に移した。



俺はしっかりと動いてくれているので信じて待っている事にした。



そうしてしばらくしてからフロアーナは戻ってきて約束通りに元に戻したからと言って水晶玉で状況を見せた。



すると確かに治して周りの者たちが困惑はしているがしっかりと約束を守ったことには変わりはないので俺も口にだして答えた。



「なら、こちらも約束通りにお前の仲間になることを約束する。ただし先程にも伝えた通りに大きな犠牲が発生する時はしっかりと相談をする事、良いな」



「はい、それで神話にもなっている人を仲間に加えることができれば非常に助かりますから」



そうしてからここだと何かと他の人が来る可能性があるから場所を移動させようとして俺は多摩川ダンジョンの中に魔法で転移をしてから話を始めた。



「そう言えばさ、君は吸血鬼なのに日光とか大丈夫なの?そもそも吸血鬼として色々とおかしいでしょう!?」



「そうですね、昔にいた大切な仲間たちもそんなことを言っておりましたね。あの時は本当に楽しかったな・・・ごめんなさい少しばかり思い出して」



フロアーナの表情は悲しそうにしていながらも大切な思い出なのだなと伝わってきて俺は話題を変えてまずはフロアーナがしたいことは何かと尋ねた。



「そうですね・・・お腹が空いたのでご飯が食べたいですかね」



それを聞いた俺は笑いながらなら近くに拠点があるからそこで飯でもするかと言うとフロアーナがもし食材があれば私が作っても宜しいでしょうかと言ってきた。



君、料理が出来るのと言うとフロアーナはこう見えてフロアーナは料理がかなり上手いと本人がそう言っていたけど俺も上手いけどなと思いながらも本人がやる気があるのでそのままにしておくかとしていたらフロアーナが俺に対して伝えてきた。



「あ!そうだ、他の世界の者達も治しておきましたのでそこは安心して下さいね、鷲さん」



「まあ、やってくれていると思っていたからいいけど鷲は止めてくれ。今は雅志と呼ばれているから頼むよ」



「分かりました、それではこれから宜しくお願いしますね。雅志さん」



全くも大変な人物が仲間になってしまったけど彼女の想いは本物だから応援をしてあげたいなと思いながらも疲れた体を鞭を打つようにして拠点に帰るのだった。

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