第7話、阿賀野鈴谷の家庭の事情

そうしてインターホンを鳴らしても先程にヤクザがいたせいなのか警戒をしていたので声を出してお願いをするのだった。



「突然の訪問で誠に申し訳ありません。私は川内雅志と言います、阿賀野鈴谷さんの知り合いですのでどうか面会をさせて頂けないでしょうか。先程にこの場にいたヤクザたちは私が追い払いましたのでお願い致します」



これは社畜時代に授かったやり方でこうすればある程度は気を許してくれるはずだと思い言葉に出して待っていると静かに扉が開きどうぞと声が来たので静かにお邪魔しますと言ってから家の中に上がらせてもらった。



中は殺風景な感じでお金に余裕がないことはこの風景を見れば一目瞭然であった。



それにしても仮に母子家庭だとしたら・・・これは状況によるけど増援を呼ぶ必要が出てくるかもしれないな。



そう思いながら上がるとそこにはいつも派手にしている阿賀野鈴谷がとても同じ人とは思えないほど地味な姿をしておりあの姿は撮影用だったのだなと感じ取れた。



そうして俺に対して不信感と言うか不安が見られてので素直に話す事にした。



「鈴谷ちゃん、実はね俺は山中恵美ちゃんから依頼があってねここまで来たのだよ」



すると鈴谷ちゃんが恵美ちゃんからと驚いた顔をして話してきたので事の説明をした。すると鈴谷ちゃんは泣きそうになりながらも親友からここまでしてくれていたことに嬉しくなっていた。



そしてここからが本題でどうしてここまで貧しいのかと尋ねた。



ここまで貧しくなるには余程のクズ親だったことも考えたが実際に会ってみてそれはないと感じた。



ならば考えるとしてはお金を使い続けないといけない理由があるのではないかと考えた俺は尋ねてみると鈴谷ちゃんがその答えを教えてくれた。



それは鈴谷ちゃんには弟と妹さんがいるのだけど相当重い病気に罹って治すどころか現状維持だけでも相当なお金が掛かってしまっているらしい。



それでも鈴谷の両親は見捨てずに必死に頑張ってお金を稼ぎ、鈴谷ちゃんも出来る限りに両親を助けて頑張っていたが半年前に父親が他界して更に状況は悪化をしてしまったのだと言うのだ。



なるほどそのような事情があったのか。だからこんなに貧しくなっていたのか・・・幼い子供のためにか、これは無償で助けてあげないとあの世で大将に顔向け出来ないな。



うまく行けばあんな事やこんな事など考えていたが想像以上に哀れな状況だ。



損得無しで助けないと後味が悪すぎる、俺は悪党みたいな性格だけど流石にやっていいことと悪いことぐらいは理解をしているつもりだ。



悪党は悪党なりの美学があるのだ、ここで恩返しとして鈴谷ちゃんを頂くのは俺の美学が許さないから。



なので作戦変更!まずは阿賀野鈴谷ちゃん達は素直に助けることに変更してエロいことは相手に任せる事にした。



ここまで大きな勢力なのだ、美女の一人は二人ぐらいは存在してもおかしくはない。なのでその方面はそちらに任せることにしよう。



それにしてもここまで貧しくなるということは相当な病だと考えられる・・・大将から預かったあれを使う時が来たようだな。



本当に大将は備えなどしてくれていたから助かった。仮にどんな病でも治せてしまう物が手元にあるのだから。



それにしても実際にその子達に会わせてほしいとお願いをした。



内容としてはもしかしたら何か解決策が見つかるかもしれないからと伝えると鈴谷ちゃんが分かりましたとお願い致しますと俺をとある病院まで案内をしてくれる事になった。



向かった病院はそれなりに大きくここでも無理な病かと感じながらとある病室に入るとそこには病室のベッドで寝ている幼い少年と少女が横になって寝ていた。



この子達かと思っていると鈴谷ちゃんが薫、純、遊びに来たよと言うと幼い少女と少年がゆっくりと起き上がって鈴谷ちゃんの方を見て嬉しそうにしていた。



二人共、鈴谷ちゃんの事が好きなのだなと理解をさせられた。そうして俺は遠くから二人の病の様子を確認をしていたが確かにこれは人間の手では治すのはかなり難しい病で難病の中の難病とも言えた。



まあ、俺が用意するやつはそんな病でも治してしまうチート過ぎるアイテムなのだけどそのアイテムの名前はフェニックスの羽、これをどんな病を治すのは当然のこと死体が無事であれば蘇生までしてしまうと言う破格のチートアイテムなのである。



どうしてこんなものを持っていたのかと言うと実はこれにも深い理由があるのだけど簡単に説明をしよう。



〜ダイジェスト〜


「鷲くん〜!ちょっと翼が痒すぎて多く落としたから掃除しておいてね〜」


〜終了〜



自分で痒すぎて落ちた羽ぐらい自分で拾えと思ったけど大将には恩義もあったし大将だし滅茶苦茶に強いし・・・怖かったので仕方がなく従っていました。



まあ、それが後にフェニックスの羽としての効果が判明した時は恐ろしい程に喜びましたけど意外と使えるかもしれないと捨てずに溜め込んでおいて正解だった。



そう、フェニックスの羽は少なくても数十万ほどの数を持っているのだ。



チートアイテムがここまで持っていれば何かと安心するよねと思いながらもあんまり使っていないのだ。



その理由は絶対にこのフェニックスの羽を巡って争いが起きるのは明白でありそんな事になればあの世から大将・・・フェニックス様が蘇って俺は土に還ってしまう。



それに余りにも能力が凄すぎて使うのに躊躇っているのも理由だ。最後は最強英雄伝説とも呼ばれている大将、フェニックス様の元部下だと気が付かれたらかなり厄介なことになるのは馬鹿でも分かることだ。



なんせこの世界でも最古の神話伝説、英雄伝説とも言い伝えられておりそれと関係者だとバレた暁にはアメリカ、中国、ロシアなどの国が黙ったいるとは到底思えない・・・って、大将がそう言っていたから絶対に言うなと言われている。



大将は別に俺の世界情勢とか知らないよね!?滅茶苦茶に詳しく言われたことは未だに覚えている。



普通なら笑って終わらすけど大将が真面目な顔をしている時はかなり危険なのとなのでそれをこの世界に帰ってきても守り続けている。



何故ならば、もし俺が大将の部下だと関係者だとバレた時・・・・・大将の予言が本当ならば・・・。




・・・いや、今はこんな暗い話を思い出している時ではない。それよりも目先であるけど鈴谷ちゃんたちを何とかしないとならないからな。



ともかく今回の元凶であるヤクザ並びにロシアを何とかする必要があり流石に同時は無理なので少なくても良いから応援を呼ぶ事にした。



それに他の世界の情勢も気になる事だしな。そうと考えていると幼い少女少年たちがおじさんは誰と聞かれたので答えてあげることにした。



「おじちゃんはね、鈴谷お姉ちゃんの知り合いのおじちゃんだよ」



そう伝えてからこの子達にお菓子などあげても構わないかと言うと二人の子どもたちはとても嬉しそうにしていた。



それを聞いた鈴谷ちゃんは本当に良いのですかと聞いてきたので俺は勿論だよと答えてから何が良いのかなと二人に尋ねるとチョコレートのお菓子が良いと聞いたので早速病院の売店に向かい始めた。



その途中で君も好きなやつがあれば買ってあげるからと言うと鈴谷ちゃんは弟や妹たちの為に買ってくれるのにこれ以上は悪いですよと本人からは何も求めようとしてこなかった。



本当に良い姉さんだなと改めてそう感じて俺は余計にこれは気合を入れて頑張らないといけないなと考えたのである。



そうして俺は子供達のお菓子は購入したことはもちろんの事、鈴谷ちゃんが欲しそうな物も購入して鈴谷ちゃんに無理矢理差し上げた。



すると鈴谷ちゃんがいくら何でもおじさんにお世話になり過ぎてしまいますからと断ろうとしてきたけど俺は最近、歳をとってしまったから太りやすくなっているからお菓子など食べをてしまうと危ないからと断った。



まあ、半分嘘で半分本当のことを伝えた。確かに昔に比べて格段に太りやすくなったけど今は気にしていないからな。



そうもしてようやく鈴谷ちゃんはお菓子など受け取り俺に対して感謝を伝えてきてくれた。



うんうん!やはり女子高校生の笑みは素晴らしいな・・・・さてとそろそろ呼ぼうかな信頼できる鷹を。



そう思い俺は病室に戻った後にしばらくは話し相手になりながらゆっくりとしてから病院を後にしてから俺は魔法で異なる世界にいるとあるエルフにテレパシーで会話を始めた。



(おいー!鷹、聞こえているなら返事を返してくれ)



(聞こえているから安心しろ、鷲。所でお前がこうして連絡をするという事はそちらで一人では対応できない事でも起きたのか)



(流石、鷹!話が早くて助かる、今から詳細を伝えるから聞いてくれ)



そうして俺は状況を鷹に伝えて応援をお願いをした。すると鷹はそれを無視したらあの世で大将に岩盤行きにされるから助けに向かうよと言ってから通信を切ったのであった。

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