第4話、IFフロアの解説回(前半)

それからしばらくして俺は約束していた通りに再び多摩川ダンジョンの前に集まって撮影の準備をしていた。



やはり最新の機械に関しては若い方が色々と知っており嫌でも歳だなと実感させられていたがだからこそ歳の功と言うやつを見せてやろうと思って意気込んでいた。



それと事前にIFフロアに関して他の三人も説明したがそれって本当にあるのですかと半信半疑みたいな感じになっていた。



この子達はもちろんのこと恐らくこの動画を見ている他の者たちも同じ事を思っているだろうな。



まあ、俺も大将に見せてくれるまでは同じ気持ちだったからわかるから何も言わない、けれども実際に目にしたらきっと驚くだろうな。



実際に俺がそれを見せつけられた時はびっくり過ぎて顔芸をしていたと大将と同僚にに笑われてしまっていた。



あそこまで笑ってそんなに面白かったのかなと当時の事を思い出しながらも今は撮影だからと言って気合を入れた。



楽しみだなと思いながら待っていると遂に撮影が始まるとして準備をして待つとすぐに撮影が始まり俺は挨拶から始めるのであった。



「どうも久しぶり、初めての人は始めまして私は川内雅志と言います。この度は今回の動画に参加させて頂きました。どうか宜しくお願いします」



「川内さん、川内のおっさん!名前とか基本的に偽名で良いからこれはインターネットに配信される動画だから」




そうなのか、インターネットに配信されるからしっかりとした名前のほうが良い気がするのだけどなと言うとコメント欄と言う所でコメントが書かれてきた。



コメント

・(笑)正直に今の時代で本当の名前を出すとか

・やはりおっさんだからインターネットなどあんまりやらないから

・それはともかく川内って・・・やはり夜戦が得意なのですか!

・そのネタはいい加減に飽きるから辞めろ

・でも真剣に向き合う姿勢は嫌いじゃない

・そんな人がこんな人たちとコラボするとか人生って分からないよな



色々と書かれてあるけどとりあえず問題はなさそうだなと言うとコメントがいや、情報情報と書かれてきた。



まあ、こんなおっさんの情報など誰も知っても仕方がないでしょうと言ってから俺達はダンジョンに入りながら今回の目的を話し始めた。



「さて、今回の目的はIFフロアを発見して探索することです。ここでIFフロアって何と?言う視聴者の為に説明をします」



IFフロア、それはダンジョンで稀に発生する特別なフロアで普通、ダンジョンの魔力は地下から上に上に登って放出されるものであるけどその魔力が多すぎる時に逃げ道がなくなった魔力が外に逃げようとしてダンジョンの壁を壊して新たなフロアを作ることがあります。



それがIFフロアと呼ばれております、身近で例えるなら火山の噴火口から出てくるマグマが間に合わなくて他の場所から溢れてくる仕組みかな。



そんな事を説明すると多くのコメントが嘘でしょうと殆ど信じられていなかった。それを見て俺は答えるのであった。



「まあ、そうですよね。最初に聞いた私も信じられなかった事ですから気にしておりません。皆様と同じ考えでしたので実際にその目で見て納得してくれたら嬉しい限りです」



そう言いながら歩いているとあるコメントでならIFフロアを見つける方法を教えて下さいと書かれてきたので説明をした。



「見つける方法は2つほど、一つはフロアの魔物たちが変に偏ってあるフロアがある場所にもう一つがこの前の動画にも映っていましたけど本来いるはずもない魔物がいるとその可能性が大きく上がりますのでその2つが当てはまる場所はもしかしたらあると思います」



そう伝えると嘘の割には色々と説明がしっかりとしていて笑えるとかこれってもしかしてマジ?といろんな反応が見られてなかなかに面白いなと思いながら目的の場所にたどり着いた。



実は撮影を成功させたいから一人でそれらしい場所を昨日、探しており無事に発見していたので安心して到着した。



後は魔法でこの壁を破壊するだけですと伝えてから手から雷魔法を発動させて壁を崩すとやはりそこにはIFフロアに繋がる道が現れたのである。



それを見ていた健くんたちははぁ?とものすごい顔で驚いて芸人じゃないのだからと思っているとコメントでもはぁ?とかこれは夢ですかと信じられないと言うコメントが多く見られた。



それからしばらくしてから健くんたちがいやいや!本当に実際にあるやつなのと驚きながら聞いてきたので俺は当たり前だろと言って答えると健くんが恐る恐るしながら話してきた。



「川内おじさん、間違いなく今、歴史的瞬間を目撃をしているよ僕たちは・・・・と言うか川内おじさんは一体何者なのですか??」



流石にそこまで大袈裟だなと笑いながら答えてから早速進み始めた。この様子だと相手はドラゴンたちで間違いはなさそうだから伝えておこう。



「そうだ、先に伝えておきますがこの先にいるのはおそらくドラゴン達だと思われます。前回のドラゴンはここから現れた可能性が非常に高いですからねなので健くんたちは私が守りますけど気を付けてくださいね」



「「「いやいや、そんな話は聞いていないですけど!!??」」」



3人仲良く息ぴったりに反応してきたけど大丈夫、結界魔法で三人を守ってあげるから心配せずに撮影と観察でもしておいてと笑顔で伝えた。



ドラゴンが多くいる場所に向かっていますと明らかに先程よりも元気がない声でそう話していたので気になったので大丈夫かと言うとため息を付いて大丈夫ですと答えた。



その時にコメント欄を見て何が書かれてあるのか確かめてみると意外なコメントがあったのだ。



コメント欄

・流石に普段の行いが良くないとはいえ死地に向かうとは同情するよ(まあ、助けてはあげないけど)

・Kたちよ、生きて帰ってきたらスパッチャでもしてあげるから頑張って逝って来い!

・ドラゴンに制圧されたフロアからの中継を楽しみにしていますから頑張ってね

・頑張って放送事故にならないように頑張れよ〜




何だ、みんなも楽しんでいるじゃないかと伝えると健くんたちが私達は楽しくないと涙を流しながら訴えかけてきた。



まぁまぁ、所詮ドラゴンだから安心してと言いながら向かった先には2層から5層まで縦長に広がって谷みたいになっているダンジョン形式で巣穴から多くのドラゴンたちが顔を見せていた。



かなり居るな、これならばかなりの金額を稼げるぞと嬉しく思っている隣ではこの世の終わりだと言うばかりの表情になっている三人組がいたので大丈夫かと聞くとおっさんのせいで大丈夫じゃないからと大声で言われた。



そしてそのせいで金になるトカゲ・・・ではなくてドラゴンたちがこちらの存在に気がついて一斉に咆哮して威嚇を始めたのである。



全くもこちらの存在に気がついてしまったじゃないかと言うと終わりだ、僕たちはここで死ぬのだとやけくそ気味になっていたので俺が仕方がないから頑張るからここから動かないようにと結界をその場で張った。



急に作った結界だからSSクラスまでしか耐えられないけど流石にここにはそこまでのやつはいないだろうから安心してほしいと伝えると健くんが相変わらずに何を言っているのですか、オッサンと言ってきたけどその意味は後で教えてと言ってからドラゴンたちと退治を始めた。



まあ、迫りくるドラゴンの攻撃を避けて斬撃を与えるだけで終わるけどそれを何度も繰り返した。



ここまで多くの素材が手に入ればある程度は相場は落ちてしまうだろうがそれでもかなりの金額になるぞと思ってドラゴンを狩っていた。



遠くから無双ゲームのモブ視点を見ているみたいだなと俺の活躍を見ながらそう言ってきたけどそれは大将に言える事で俺ではないからと言おうとしたけど大将はそんな話はしないでくれと遺言を残しているから諦めるかと思うのだった。

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