エピローグ

 その後、赤松さんは谷田さんが大学をご卒業された後、年賀状のやり取りが数年続いたが、ある年を境にぱったりとこなくなった。それは谷田さんが就職した虫プロの商事会社が赤字倒産したニュースが流れた頃だったらしい。それを思うと親御さんの会社に就職していれば間違いなかったのではないかという気もしてくる。その事を言うと赤松さんは笑ってこうおっしゃった。

「それでも悔いはなかったと思うよ。なんてったって手塚先生の会社に入れたんだから。」

「そうですかねぇ。……」

「俺もこの歳になると分かるんだ。やらないと一生、後悔するけど、やれば失敗しても悔いは残さずに他の道に進める。」

「確かにそうですね。」

そして最後に赤松さんはこう締めくくった。

「それより、あの人のことだから案外、別のアニメ会社に再就職したんじゃないかな?そこの経理部に。なんてったって元祖“アニメおたく”だったからね。」


 

                                   (了)

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空を超えて 大河かつみ @ohk0165

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