応援団メンバー
第64話
ティオナットは、ルーカスを追い立て部屋を一緒に出た
寮を出ると、ルーカスは教員室へ行かなくてはいけないらしく、そこで別れた
ルーカスは終始何かをブツブツ呟いていたが、ティオナットはそれを華麗にスルーしていた
ルーカスと別れたティオナットはそのまま教室へと歩いていく
下駄箱で靴から履き替えている時に、後ろから声をかけられた
声をかけてきたのは…
「ティオナット!
おはよう、さっきまでルーカス先生が一緒にいた気がするんだけど、気のせい?」
フレッドだった
フレッドにルーカスと一緒だったところを見られていた様だ
ティオナットはフレッドを鬱陶しそうに見た後、肯定する
「……そうだけど?
何、うざい」
「な、なんで2人は朝から一緒だったの!?」
「うざい
フレッドには関係ないでしょ」
フレッドの1言にティオナットの眉間に皺が寄る
朝からルーカスに構って大変だったのだ
それで疲れている時にこう、騒がれたら鬱陶しく感じるのも無理はないのかもしれない
フレッドは、小さく そうだけどさ… などとぶつくさ言っていたが、ティオナットの機嫌が余りよろしくないのを感じたのか、それ以上は聞いてこなかった
ティオナットとフレッドは教室へ入るなり、数人のクラスメートに囲まれた
「なに、何!!?」
フレッドは慌てて取り乱していたが、ティオナットは冷めた目でそれを見る
ティオナット達を取り囲んでいる内の1人、眼鏡をかけた真面目そうな女の子が口を開いた
「…あの、私達応援団に選ばれてたから、今日の放課後皆で集まって話し合いをしようと思ってるの
2人も応援団メンバーだよね?
教室で話し合いするから残っておいてね
その時に自己紹介とかしましょう?」
最後の言葉はティオナットに向けられたものだ
「………分かった
じゃぁ、退いてもらっていい?
通れない」
「はぁ!?
何その言い方!!」
「あ、ちょっとベロニカちゃんっ」
ティオナットは間違った事は言っていない
が、言葉が悪かった
だから、と言うべきだろう
金髪で跳ねている髪を1つに結っている元気そうな女の子、先ほどティオナット達に話しかけてきた眼鏡の子がベロニカと呼んでいた女の子が
ティオナットに突っかかってきた
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