第三章

体育祭

第49話

「俺、野郎に抱き付かれて喜ぶ様な趣味持ってねぇんだけど


何?」




半分睨み付けつつ毒を吐くティオナット


すると、床にしなだれていたフレッドが飛び起きる




「そうだよ、ティオナット!!


ティオナット今有名人だよ!」


「は?」




昨日程までとは言わないものの、冷たい声と瞳でフレッドを貫くティオナット


フレッドはそれに若干涙目になりつつも、ティオナットに食い付いて行く


ある意味、勇者だ




「っ、だから!


昨日ジェラルドと決闘しただろ?


それで圧勝したから有名になったんだよ!!」


「………ふーん、あっそ」


「反応が冷たい!!」


「だって興味ないから」




バッサリぶった切ると、 およよよよ… と泣き真似をするフレッド


ぶっちゃけうざい


だから、そんなフレッドを無視して席に着いたティオナット


クラスメートからの視線が何気に痛い


が、罪悪感なんて微塵もない


全てはフレッドが悪いのだ


そんな事を思っていると、ジェラルド、ザン、ハーパルの3人が登校してきた


ジェラルドは視界にティオナットを収めると、

盛大にふんっと鼻を鳴らして顔を背け、自分の席へドカリと座る


ハーパルはそんなジェラルドに一瞬きょとんとしたが、

直ぐにこちらを向き、目を爛々と輝かせて近付いてくる


ザンは2人の行動にオロオロして、ジェラルドとハーパルを交互に見るが、

意を決めたのかハーパルの後に続き、こちらへ来る


ハーパルとザンがティオナットの席の前に立つ




「なぁ、オレ、ハーパル!


ハーパル・ナイトリー!


ジェラルドと友達になったんだろー?


これからよろしくな!」




ティオナットが反応する前に、 “ジェラルドと友達になった” という1言にジェラルドが逸早く反応する




「僕はまだブリクストを友達と認めたわけじゃないんだからな!」


「…ふむ


どうやらジェラルドは退学になりたいらしいな?


担任に報告して来よう、 “ジェラルドくんが決闘の望みを破棄したのでやはり退学に” って」




ティオナットがそう言って立ち上がると、ジェラルドも顔を真っ赤にさせながら立ち上がり、怒鳴る

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