第8話

今日はもともとお肉の気分だったし、こんだけいっぱい泣いたりしたわけだし、疲れたからいっぱい食べたい…


そんな願いが叶う食堂メニューと言えば……




「…ビッグハンバーグ弁当!


あれ美味しいよねー


後はデザートのプリン!


まだあったらカスタードプリンがいい!」


「………ガッツリ食うなぁ…


了解


濡れタオル、ぬるくなってきたんだけど…」


「じゃぁ、チンしたやつと交代!」




ぬるくなった濡れタオルをもらい、代わりにあったかいタオルを隆幸に渡す


これ気持ちいいなぁーという隆幸はシカトして、僕はぬるくなった濡れタオルをもう1度濡らして冷やす


これを何度か繰り返していると、隆幸の目元の腫れも引いてきたので、晩御飯のお使いを頼んだ


隆幸が晩御飯のお使いに行っている間に、僕も同じ方法で目の腫れを引かせる


これやってると、目が気持ちいいんだよねー


特にあったかいタオルで目元を覆ってると眠くなっちゃって……


ベッドに寝転んでタオルを目に当てていたせいだろうか、僕はこのまま寝てしまったのだ


次に気が付いたときは、隆幸が晩御飯のお弁当を買ってきてくれていて、爆睡していた僕を起こしてくれた




「んぁあ、おかえりぃ…」


「……ただいま


まだ目ぇ腫れてるな…」




寝起きで少し舌っ足らずなおかえりになったが、隆幸も少し間を置きながらもただいまと返してくれた


僕の目元を見てくれていた隆幸はため息を吐く




「…お前が途中で寝るから目ぇ腫れたままじゃねーか


これじゃぁ、大浴場もいけねーな…


ちょっと風呂洗ってくるから、濡れタオルちゃんとしとけよ!」


「えー、先にご飯食べないのー?


お腹空いたー」


「お前が途中で寝てたからだろ!


俺も腹減ったっつの


いいから文句言わずに冷やしてあっためとけ


少しでも腫れを引かせろ」




最後に隆幸に頭をぺしりと叩かれた


そのまま風呂場へ向かう隆幸をちらりと見て、また濡れタオルを目にかぶせる


今度は寝てしまわないようにベッドを背もたれに座った形で目を冷やしている


寝ないように気を付けながら何回かタオル交換をしていると、お風呂掃除を終わらせた隆幸が戻ってきた




「おぅ、寝てねーよな」


「起きてるよー」




起きてるか確認された僕はそう言ってタオルを取る


隆幸が僕をじっと見つめるから僕も見つめ返すと、隆幸が小さく息を吐く




「…多少はマシになったようだな


じゃぁ、飯でも食うか」


「!!


食べよー、お腹空いたー」




買ってきてテーブルに置かれたままだったビニール袋からお弁当を取り出す


僕のはリクエスト通りビッグハンバーグ弁当とカスタードプリン


隆幸のはかつ丼だけだった


隆幸からレシートを借り、自分の分の金額を隆幸に渡す


先にお金を渡すのを忘れていたため、今日は後払いになってしまった




「隆幸、買ってきてくれてありがとうね


これ、お代とレシート


確認してー」


「ん………おっけ、ちゃんとある


毎度~」




チャリチャリと小銭を鳴らしながらお財布に直すのを確認して、僕と隆幸は同時にいただきますと手を合わせる


時間が経ってしまったため、お弁当は少し冷えてしまっていたが、いつも通り美味しかった


お弁当とカスタードプリンを堪能した僕は満腹のお腹をさする




「ん~、美味しかったぁ


やっぱり、プリンはカスタードプリンに限るよねぇ…」

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