第9話
俺は本棚の整理をしていたはずなのだが、気付けば本を読み漁り、まったく整理できていないまま今日の飲みの準備をする羽目になった
本好きの人にならきっと共感してもらえると思うが、こう本棚の整理をしていると懐かしい本が出てきたり、これ好きだったなぁとか思うとつい中身を読んでしまって、読んだ本を横に積み上げてしまうから整理するはずが、更に散らかることもある…
…くっ、本が面白いのが悪いんだ!
そうだ、俺は悪くない
こんな面白いのを読まずにいられるか、作者さんホントこれ書いてくれてありがとう!
っと、それよりも、部屋着から外着に着替えたし、鏡チェックもした
財布、スマホ、鍵も持ったし、トイレも済ませた
時間も今から出れば電車も予約の時間にも間に合うだろう
一通り自分チェックが終わった俺は最後に戸締りもチェックして家を出た
あぁ、潤とプライベートで会うのは久しぶりだ
潤から告白される前に遊んだ以来だから……、もう8年くらいになるのかな…?
久しぶりすぎる…
そういえば、潤はお酒に強いのだろうか?
俺はそれなりに飲める方だから、もし潤がお酒に弱かったらペースは合わせた方がいいかな?
というか、高校卒業してからの潤を俺は一切知らないから、そこも気になるところだ
あれから今まで、どんな人生を歩んできたのかとか、彼女はいるのかとか、聞きたいことなど山のようにある
早ければ結婚などの話題も出ていい年ごろでもあるわけだし…
…まぁ、俺は今彼女いないから結婚はまだまだ先だろうけれども…
潤はイケメンだし、優しいし、仕事もしてるし、昔からモテてたし彼女の1人や2人くらいいるかもしれないしなぁ…
潤の結婚式には友人代表は俺かな?
そこまで考えて、なぜか胸がチクリと痛んだ気がした
…なんか悪いもんでも食ったかな?
昼のカルボナーラは別に消費期限内だったから、もしかすると昨日のぶり大根が拙かったのだろうか…?
…いや、食べる前ににおいも確認したけど、大丈夫そうだったんだけどなぁ…
悶々と考え事をしているうちに、潤が予約してくれていたお店に着いた
スマホを確認すると、どうやら潤はすでにお店の中に入って待ってくれていたようだ
時間通りに来たはずなのに早い奴だ
スマホを定位置に戻してお店に入る
「いらっしゃいませー!」
「すみません、18時に予約していた相原ですけれども…」
「あ、お連れ様ですね!
中でお待ちですので、こちらへどうぞー!」
元気のいい店員さんに案内されて、個室に入る
個室ではまだ何も頼んだ様子のない潤が待っていた
「待たせて悪いな、久しぶり」
「久しぶり、メッセに入れてた通りちょっと前に着いたばっかりだから気にすんな
座れよ、早く注文してしまお」
「おう」
軽いあいさつの後、潤の向かい側の席に座り、メニューを一緒にのぞき込む
「俺、ここ初めてだからさ、お勧めとかある?」
「あー、ここね、山芋のオムレツがめっちゃトロトロで美味いからおすすめ
ここに来るときは必ず頼む
多分お前もこれ好きだよ」
「お、まじか
じゃぁ、それ頼もーぜ」
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