第8話

まずは冷蔵庫を開けて、中身の在庫チェック


うーむと考えながらいろいろあさってると、パスタに目が留まった


そういえば、最近はパスタを食べていなかった


無難にミートにするか、それとも久々にカルボラーナにするか…


ミートとカルボラーナの消費期限を見て、カルボラーナに決めた


やっぱり、消費期限近い方から食べてかないとね


気付いたら腐ってたとか、すごいショックになるもの


小さく鼻歌を歌いながら、麺を茹でつつカルボラーナのソースも温める


最近はこういう凝ったものが簡単に作れるから、本当にありがたい


一昔前のこういうインスタント系は食えたもんじゃないと両親が言ってたのを思い出す


今回のカルボナーラはインスタントじゃなくてレトルトなのだが


でも、俺はそこまで言うほどのインスタントやレトルトに今のところまだ出会っていないから、両親の言う一昔前とはおそらく俺が生まれる前くらいではないのかと思っている


…まぁ、50代の両親の一昔前だからなぁ……


とつとつと考え事をしていると茹で時間が終わったようだ


麺をザルに移して水切りをして、熱いうちに皿に移す


カルボナーラのソースも温め終わっていたのでそれを麺の上にあける


フォークとカルボナーラを持って居間の机の上に置く


手を合わせていただきます


ソースと麺をしっかり絡めて、フォークに巻き付けて食べる


もっちりとした麺にカルボナーラが少し多めに絡みついたそれを口いっぱいに頬張る


こういう濃い味が好きなのは子供っぽいと自覚してはいるものの、やはり美味いものは美味い


カルボナーラは卵の濃厚さと、胡椒の効きが命だと思う


もちろん、これは完全な持論であって中にはそれが嫌だという人がいるのも知っている


でも、そういう人は人生少し損をしてるんじゃないかなぁ…


こんな美味いのに


いや、好みは人それぞれか…


俺が好きだからそれで良いんだ


また取り留めのないことを思考しつつ手と口を動かし、気付けばカルボナーラを食べきっていた


美味しかった


多少物足りないような気もしないではないが、このくらいで丁度いいのだ


これを腹いっぱいこれでもかというほどに食べてしまったら俺は絶対に飽きてしまう


なるべくならそんなことは避けたい


やはり、何事もほどほどが1番なのだ


ぼんやりテレビを見つつ、腹が落ち着くのを待って皿と鍋を洗う


麺を湯がいた後の鍋は早目に洗うのが、俺の中の鉄則


周りについた白いのは早目に落とさないと何となく気持ち悪いからだ


まぁ、これはただの気持ちの持ちようなのかもしれないが


と言いつつ、俺の場合自炊したら基本ためずにすぐに洗う派なだけなのだけれども


さて、片付けも終わったし何をしようか?


濡れた手をぬぐいながら考える


そういえばこの間本を買ってからまだ本棚の整理をしていなかったな


本棚の整理でもするか


思い立ったら即行動、だが、この本棚整理はなかなか終わらないのである

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