第6話

昨日のぶり大根がまだ残っていたはずだ


ご飯もタッパーに入れてたやつをチンすればいいし、みそ汁は…


あー、もう面倒くさいからインスタントでもいっか


インスタントのみそ汁なら確か買い置きがまだあったはずだから、とりあえず今日買わなきゃいけないもんとかはなかったかな…


あ、一応使えるクーポンとかなかったかだけチェックするか


ポケットをあさり、プライベート用のスマホを取り出すと、チカチカと何かを受信したことを知らせるライトが光っていた


何かと思いみると、潤からのメッセージが届いていた




『お疲れ様


今日、仕事終わりに時間があったら一緒に飲まないか?


久しぶりだし、積もる話もあるからね


いい返事を期待してるよ』




久しぶりに会えた友人、幼なじみとの飲み


今日は金曜日だし、今日少し飲みすぎたところで明日あさっては休みだから何ら問題はないのだけれども…


昨日作ったぶり大根は作ったのをそのままフライパンに入れたまま常温で放置しているため、さすがに今日食べてしまわなければ捨てることになってしまうだろう


そうなるとぶり大根がもったいないし、かといって潤には久しぶりに会えたのだ


疎遠になっていた期間は結構長いし、この機会にゆったりお喋りもしたい


ううむ、と少し悩んで返事を打ち込む




『お疲れ様


悪いが、今日は昨日の残りご飯の片づけをするから無理だ


明日あたりでどうだ?』




送り終わって、ふぅと小さくため息を吐く


そしてスマホを取り出した理由を思い出し、今日使えるクーポンを調べる


特にこれと言って買うべきものもなさそうだ


調べ終わってスマホを閉じようとしたら、潤からの返事が来た




『そうか、じゃぁ明日の夜一緒に飲もう


店は俺が予約しておくから、とれたら後で名前と場所を送るな』


『了解、よろしく』




予約してくれるというので了解と簡単に返してスマホをポケットにねじ込む


潤と、プライベートで会う約束がまた出来たことが、俺はただ純粋にうれしかった


やっぱり久しぶりに会える友達というのはいいものだ


懐かしさがこみあげてきて、話したいことや聞きたいことが山ほどある


明日の夜が今から楽しみだ


小さく鼻歌を歌いながら電車に乗って自宅へ帰る


ちょっと電車内の女子高生に変な人を見る目で見られたので鼻歌はやめた


年甲斐もなく浮かれて、恥ずかしかったので、少し反省


でも楽しみなものはやはり楽しみで、家に帰り着いて気付くと鼻歌を歌っていた


昨日のぶり大根もさらに味が染み染みで美味しかったし、お風呂も入ってさっぱりして気持ちよかったし


明日も良い1日になると信じて寝よう


ちなみにお酒は昨日飲みすぎたし、明日潤と一緒に飲む予定なので、今日は休肝日としてお酒は飲まない


社内でもまだ若い方ではあるが、二十歳の時みたいに毎日かぱかぱ飲むのはいい加減やめようと決めた


だって、生活習慣病とか怖いしね

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