第43話
ザンとハーパルは一昨日遊んだ、いつもの場所へ戻ってきた
戻ってきたのは良いが、いきなりジェラルドと忌み子のアレックスが居なくなり、どうすれば良いのか分からなくなっていた
遊ぶにも、2人で遊べるものなど限られているし、
そもそも、今の2人には遊ぶ気など全くないのだ
一昨日遊んでいる途中でいきなりアレックスが居なくなって、そうかと思えば昨日はアレックスが死んでいると知らされ、
ジェラルドもいつの間にか居なくなっていて探したけど見付からなくて、今日ジェラルドの家に行ってみると、体調が悪くて会えなくて…
少し、思い返してみただけでもこの3日で沢山の事があった
いくら能天気な子供だったとしても、これは辛いものだ
いつもの公園に着いても2人はずっと黙ったままだった
が、ザンがその沈黙を破った
「………帰ろっか……」
「……え?」
突然ポツリと呟いた言葉は、ハーパルに届いていなかった様だ
ザンはもう1度、今度はちゃんと聞こえる様に言う
「……帰ろ…?
ここに居たって、遊ぶわけでもないし、ね」
「ぁ………、あ、うん
…………じゃぁ、また…な?」
「うん、また今度」
そう言って、2人はそれぞれの家へと帰った
そして次の日、また次の日とジェラルドは1週間続けていつもの公園に来なかった
2人はジェラルドのアレックスへの想いを個人差は有れど、知っていたので、最初は ジェラルドは自分達よりもっと辛いのだ と割り切っていたが、来なくなって1週間目の今日は、ジェラルドの家に突入する事にした
このままではきっとダメだと決めた2人はジェラルドの家にやって来た
この間と同じ様に些か以上に緊張しつつもインターホンを鳴らす
そして出て来たのはこれもこの間と同じく、いつものメイドさん
ここまではこの間と然程変わりはしていなかったのだが、今日はメイドさんの表情が違った
「ザン様、ハーパル様!
どうか、坊ちゃんをお助け下さい!」
扉が開いたと同時に、メイドさんが眉尻を下げた顔でそう言った
もちろん、幼いザンとハーパルはいきなりの事にたじろぐ
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