第42話
意気消沈したジェラルドはしょんぼりと肩を落として自室へと戻っていった
その頃、ザンやハーパル、神父達3人はやっと教会にジェラルドが居ない事に気づく
ザンとハーパルの2人はずっと泣いていたから目が赤く、腫れていた
2人は一通り泣き尽くして落ち着いたから他人の事にまでやっと気がまわせる様になったのだろう
神父はザンとハーパルを泣き止ませるのにずっと苦心していたからジェラルドに気付かなかったのだろう
神父は焦る、いくらザンとハーパルが大泣きしていたからと言って、ジェラルドから目を離すだなんて
もしこれでジェラルドに何かあったら……
3人はキョロキョロと辺りを見渡してみても、ジェラルドはどこにも見当たらない
それもそのはずだ
ジェラルドは既に家の自分の部屋なのだから
ジェラルドも、自分の父、ジェルヴェに話を聞く事しか考えておいなかったため、ザン達にまで気が回っていなかった
3人は慌ててジェラルドを探しまわったのだが、見つからずに時間だけが過ぎていき夕方になった
教会にいないので見付からないのは当たり前なのだが、そんな事は露知らずに健気に探し続けた3人
夕方になれば、流石に子供であるザンとハーパルは家に帰らねばならない
神父は自分が探すからと、2人を説得して家に帰した
その後神父は夜中まで探し続けてくれたそうな…
翌日、ザンとハーパルはラングフォード家、つまりはジェラルドの家へと来ていた
もし、昨日のように忌み子のようなことになっていたら…
昨日見付からなかったからやはり気になっていたのだろう
ラングフォード家のインターフォンを些か緊張しながら鳴らすと、いつものメイドが出てきた
「…あら、ザン様とハーパル様ではありませんか
本日は坊ちゃんにどのような御用件で?」
「あ…
昨日、ジェラルドがいつの間にか居なくなってたから気になって……」
「坊ちゃんは昨日ちゃんとお帰りになられましたよ?
何か、お急ぎのご様子でしたが…
お呼びいたしましょうか?」
「あっ、はいっ!
お願いします!」
ザンがお願いすると、メイドは1度お辞儀をしてから目を瞑り、誰かに念話を飛ばしている様だった
そのまま1分ほど待っていると、メイドは申し訳なさそうな顔でザン達を見た
「……申し訳ありません、本日は坊ちゃんの体調が優れていらっしゃらないご様子で…
よろしかったら、また明日来てくださいませんか…?」
「あ…、はい、わかりました
………失礼いたしました、また明日来ます」
ザン達は頭をぺこりと下げると踵を返して帰っていった
それをメイドは申し訳なさそうな顔で見送っていた
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